不特定多数への音声発信は「強調」が必要

最近はPodcastで発信する人も増えていて、音声だけで不特定多数の人に推しについて発信したいんだ! と思われている人もいるかもしれません。

そんな発信のときにしゃべるコツ──会話のキャッチボールではなく、不特定多数に対して、ひとりでしゃべるときのコツについては、これです。

「ここを聞いてください」というポイントの強調。

ひとりでただしゃべっていると、だんだん自分でも不安になってくるんですよね。これ、面白いのかな? これ、ちゃんと聴いてもらえているのかな? 客席の人が退屈そうにしているなら、なおさら不安になります。

そんなときに役立つのが、自分で緩急をつくりだすこと。

たとえば中高時代、先生の授業を聴いていたときのことを思い出してみてください。どの教科でもいいですが、高校くらいになると、だいたいの学校ではひとつの授業時間が1時間弱ありましたよね。1時間弱、先生ひとりでしゃべり続けるって案外大変です。今思うと、高校の先生のしゃべりの技術は、すごい。

高校の授業のイメージ
高校の授業のイメージ
すべての画像を見る

しかし残酷な話ですが、授業を思い出すと、やっぱり面白い授業と面白くない授業、そして、わかりやすい授業とわかりづらい授業にわかれていたものです。

さて、その差はどこにあるのでしょう?

それは、どこがポイントか、はっきり言ってくれるかどうかです。

話のうまい先生は、おしなべて緩急をつけるのがうまい。生徒が多少眠くとも「ああ、ここを覚えとけばいいのか」「えっ、そういう解き方するの?」と興味をそそられるのは、先生が1時間しゃべっているなかで「ここだけは聞いとけよ」というポイントを言葉に潜ませているからです。

それは1時間にひとつ、といったレベルの話ではありません。3、4分に1回くらいでしょうか。緩急を細かくつくって、ここを聞け! という念が生徒に伝わってくるのが、いい先生のしゃべり方です。

私たちも、とにかく「ここを聞け!」という念を込めた箇所をつくりだす──それが緩急、すなわち聴いている人に興味を持続してもらえるしゃべりになります。

発売一週間で異例の10万部を突破した三宅氏の新刊
発売一週間で異例の10万部を突破した三宅氏の新刊