たった4分野の評価をすればいい

得意分野でプロフェッショナルになる、そう思ったときに、では、自分の得意分野はどこなのかがわからない、と思われる方のほうが多いのではないかと思います。

これはしごく当然のことです。誰でも、自分を基準に考えているので、自分がその分野で秀でた能力があると気付かずに、部下や後輩に対して「どうしてこんな簡単なことができないんだろう」と不満に思うものだからです。

山口真由氏 
写真/恵原祐二
山口真由氏 

写真/恵原祐二

 私も、高校生のときには、自分が「特に読むのが速い」と思ったことはありませんでした。自覚したのは、何回かまわりの人に「もうこんなに読んだの?」と驚かれたから。周囲の反応を見ながら、能力について気付いて、それに自信を持つようになっていったのです。自分が得意なことを探すのは、案外難しいのではないかと思います。今いる環境が自分に合っていなければ、見つけることすらできないかもしれません。得意なものと出合うこと自体、運の要素も大きいと思います。

だから、ここでは自分の「得意分野」を測るための指標を使いたいと思います。ビジネスにおいて求められるのは、「アウトプットする力」です。そして、精度の高いアウトプットをするためには、必ず「インプットする力」を組み合わせる必要があります。「インプットする力」としては「読む」ことと「聞く」ことが、「アウトプットする力」としては、「書く」ことと「話す」ことが挙げられます。

つまり、自分の得意分野を見極めるために、誰もが小さい頃から日常生活のなかで行っているこれらの4つの行動について、自分の能力を評価すればいいだけなのです。もし、自分での評価が難しければ、自分のまわりの人と比べるのがよいでしょう。

また、「読む」と「聞く」は内向的タイプで、「書く」と「話す」は外交的タイプと、ここでは便宜的に分けることとします。

自分の得意分野の見つけ方 図/書籍『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。』より
自分の得意分野の見つけ方 図/書籍『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。』より
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