NGマナーの“渡し箸”は、お店に対する気遣い!?
動画では、石破首相はサンマの皿に、テーブルマナーでは一般的にNGとされる“渡し箸(食事中に食器の上に箸を置く行為)”をする。しかし、これにも加藤氏は「気遣いがあったのでは?」と推測した。
「たしかに動画の後編でも食事をされている様子が収録されていますが、編集されたものが公開されていると思うので、動画どおりの順番で料理を召し上がっていたとは限りません。石破首相はサンマをご飯やお味噌汁と一緒に召し上がっていたため、サンマが最後の締めだったのかもしれません。ですので、『箸はお皿に置いてまとめたほうが、お店の方が片付けやすい』という気遣いがあったのではないでしょうか」(加藤氏)
後編の動画では、卓上に「トンッ!」とおちょこを置く場面や、箸でつかんだものをバウンドさせるような動作も見られる。加藤氏は、これらはともにNGとしつつも、料理によっては推奨される箸づかいであるとも解説する。
「正式な食事のマナーとしては、つかんだものは静かに口に運ぶように、と私自身もよく指導されてきました。なので、動画内の様子は“探り箸”に似ているのかなと思います。
ただ、煮物など水分の多い料理をつかんだときに、汁をだらだらと垂らしてしまうのは“涙箸”と呼ばれ、好ましくありません。もしかすると、動画内でも水気を切るためにトントンと箸を使っているのかもしれません」(加藤氏)
NGを連発してしまった石破首相だが、撮影場所となった店舗を知っているという加藤氏は、さまざまな事情があることにも理解を示している。
「実は私、このお店を知っていまして。入ったことはないのですが、少しカジュアルなお店なんです。首相ご自身が好んでこのお店を選ばれたということなので、肩肘張らずに食事を楽しまれていたのかもしれません。
たしかに、研修などで『これがマナーです』と教えている内容とは異なる部分もありました。しかし晩餐会などの正式な場ではないですし、そこまで厳密に気にしなくてもよいのでは?というのが私個人の意見です。それに、この動画は4年前に公開されたものですので、今は改善されていらっしゃるかもしれません」