あだ名は“ボンボン”、ロレックスをして仕送り生活

千明容疑者は茨城県で農業を営む両親のもとで育った。♯2で報じた母親の記憶では、司法試験合格が目標とみられた千明容疑者は、実際には司法書士を目指して勉強していたようだ。都内の法科専門学校の司法書士学科で同じクラスだったという男性が証言した。

千明容疑者
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「彼は専門学生時代からロン毛で黒色が好きなオタク風の見た目でしたが、当時は千原ジュニア似の細身で、目ぶたは一重でした。40人ほどのクラスの中では目立たないタイプで、必要以上に人に近づかない感じでした。

バイトもせず仕送りだけで生活していたので、実家が裕福なのかなぁと思っていました。そのためか、周りの生徒は陰で『ぼっちゃん』と呼んだり、薬物の昔の呼び名にちなんで『ヒロポン』と呼んでいる人もいました。キレやすかったので、目の前では呼べませんでしたけど」

金に困っている様子は全くなく、年齢や雰囲気に不釣り合いな装いも「ぼっちゃん」感を高めていた。

「時計は金無垢のロレックスをしていました。成人式にはクリスチャンディオールのスーツで行ったらしく『テレビのインタビューを受けた』と自慢していましたね。

でも社交性があるほうではなく、特定の4人グループで一緒に居ることが多かったです。女の子にモテていた印象は全くないし、当時は女性にそんなに興味がなさそうな感じでした。タバコは吸わなかったし、酒も飲まなかったと思います。夜遊びもしていませんでした。

口下手で無口な田舎から出てきた素朴なお兄ちゃんでした。彼は根っからの悪人ではないと思います」

「決して裕福ではない」と話していた母親。当時、父親は農業と造園業を営み1人息子のために働いていたという(撮影/集英社オンライン)
「決して裕福ではない」と話していた母親。当時、父親は農業と造園業を営み1人息子のために働いていたという(撮影/集英社オンライン)

授業にも熱心で成績も上位だったという。しかし…

「基本時に真面目で勉強をすごくしていて成績も上の方だったし、頭はよかったと思いますが、沸点が低く突然切れるイメージがありました。だから、なるべく怒らせないようにしていました。とっつきにくい感じがあって、自分が嫌いになった人はとことん嫌いになるタイプだったと思います。だから、今回の事件はなんとなく想像がつくんです」

専門学校のクラスで席替えがあり、その際の千明容疑者の豹変ぶりが男性には忘れられないという。

「席替えで移った先の机の中に教科書が入っていたことに腹を立てて、教室のゴミ箱に投げ捨てたんですよ。教科書の持ち主は女子生徒で、見かねた男子生徒が『千明、頭おかしいよ』とゴミ箱の中から教科書を取り出したんです。

すると千明は怒り狂って、その生徒を3〜4発殴りつけ、最後にはハイキックまで繰り出していました。周りの生徒に『やめといた方がいいんじゃない?』と諌められ、最終的に謝っていましたが、感情を抑えきれない危なさはありました」