ギフテッドにしかわからない"ギフテッドあるある"
加藤 ギフテッドのイメージってひとつのことにグッと能力がある特化型をイメージされがちなんですが、実はそんなことなくて、いろんな人がいます。自分もそうですが、「本質」と呼ばれるような裏側の構造を捉えるのが得意な人も多いんです。3日マジメにやったらその業界で“偏差値60”ぐらいになれるし、3か月やったらある程度プロと戦える。でもそれって一つのスキルに特化しているわけではなくて、今までやってきたことを抽象化して再利用しているだけなんです。なので、自分のことをいわゆる“ギフテッド”だと思って生きてはいないです。
立花 でも一般的にはそんなスピードでできる人いないから(笑)。
春間 みなさん、IQを使ってほんとにいろんなことやりますよね。
――ギフテッドというと、どうしても一点特化型をイメージしてました。
立花 世間でいう天才としての特化型は少数派ですよね。そもそもギフテッドの指標の一つのIQ130以上って、50人に1人ですごく珍しいわけでもない。メディア的にわかりやすいから、特化型が取り上げられるだけで。私はサロン活動を通してたくさんの当事者に接してきましたが、職歴や趣味がジャンルレスに広がっていておもしろい人が多いと感じます。
興味の対象が広くて、それを片っ端からフットワーク軽くやっていって、ちょっとできるようになったら別のものが気になって。「結局君は何になりたい人なの?」ってツッコまれるのがあるあるすぎるみたいな(笑)。
梶塚 生きづらさというより損してる人は多い気がする。そこまでいろんな選択肢を持たない人は、目標が決まったときにその最短コースを迷いなく選び続けていくんだろうけど、ギフテッドの人は選択肢を増やしすぎるあまり、人生において非常に迷走するわけですよね。
加藤 傾向としてはありますよね。耳が痛いです(笑)。
立花 けっこう何事からもおもしろ味を見出せてしまうがゆえに。
梶塚 人間の脳って活性化すると快感なわけじゃないですか。その快感の癖がついてしまうと、もうその状態を保とうとし続けてしまうわけですよ。自分なりの言語を発明したり、とにかく無駄なことたくさんするわけ。でもギフテッド以外の人からしたらそんなの何の意味もない(笑)。
春間 あんまり決まったルートとか気にしないですよね。自分がこうしたいからこうする、みたいな。
加藤 自分の中でルールを構築したりとか、一般的には非効率だとしてもそれを凌駕できる楽しさやスピード感っていうのはバックグラウンドにあるんじゃないかな。