高IQ当事者ゆえの家族間トラブル
――みなさんはどのようなご家庭で育ったんですか? ご家族の中にも高IQの方がいらっしゃったのでしょうか?
立花奈央子(以下、立花) うちは父は中卒で母は高卒。家族の半分が発達障害で、いわゆる家族みんなが高IQ、ギフテッドということはないと思います。
加藤貴大(以下、加藤) 僕の家庭も高IQみたいなのは全然いなくて、両親も妹も運動能力が高い体育会系一家でした。 幼少期から続けていた空手の全国大会でいい結果を残したときに「父親が体育の先生だからね」って言われたのが嫌で、両親とは違う方向へ行こうと思って高校では演劇部と吹奏楽部でした。
春間豪太郎(以下、春間) 僕の両親も高IQって感じではないんですが、家族とギフテッド当事者ならではの関わりの難しさは経験しましたね。16歳の誕生日に両親から呼び出されて、「努力はしたんだけど、あなたのこと好きになれなかったから親と子の適切な距離を保つべく敬語で話しましょう」って言われて。
一つ上に姉がいるんですけど、姉は普通にタメ口で両親とコミュニケーション取っていて。僕は高校生から家の離れで一人暮らしを始めました。 今は楽しく生きてますけど、親の話をすると 悲しくなります。
――そうだったんですか。お姉さんには普通に接している分、余計お辛いですね。
立花 うちもたしかに、親が私を非常に持て余していたと感じます。
梶塚チハル(以下、梶原) そこに対して突き放しちゃうのか、受け入れてくれるのかは両パターンありますよね。
立花 「子どもって普通こうだよね」という常識からかなり外れているので戸惑うみたいです。最近はギフテッドが認知されてきましたけど、ギフテッドも多種多様で感覚過敏やこだわりが強く出るなど特性もさまざま。育児書が参考にならないことも多かったと聞きます。