「SNSには『盗撮をやめたいが、やめられない』と言っている人も…」
金沢容疑者はLINEグループのメンバーに対し、「盗撮したすぎて身体中が震える 大地が自然が震えている」「みんな盗撮調子どう?」「パンツ撮って」「白パン最高」「共有しよみんなで」といったメッセージを送信していた。こうしたやりとりからも、盗撮に対する犯罪意識が低いことがうかがえる。
また諸岡氏はかつて男子高校生の盗撮事件を取材したことがあり、今回のLINEグループに高校生が参加していたことについても触れた。
「大人が考える以上に、ネットネイティブ世代の間では盗撮行為が常習化しています。今回はたまたま事件となりましたが、たとえば、登校中にエスカレーターで同級生を盗撮して『○○の下着ゲット』とLINEで共有するなどは序の口です。
盗撮は普段から当たり前に手にしているスマホで実行でき、性犯罪の中でももっとも成立しやすい。子ども世代に対して、撮影と盗撮の違いやその意識について、改めて教える必要があると感じる事件でした」
また、盗撮や児童ポルノなどを中心にネットパトロールを行うボランティア団体・ひいらぎネット代表の永守すみれ氏も、盗撮犯罪における危険性を訴える。
「私たちは6人のメンバーで、SNSや盗撮画像の販売サイト、ダークウェブなどを中心にネット上をパトロールしています。今回摘発されたグループは把握していませんでしたが、今回のようなSNSでメンバーを募り、クローズドなグループチャット等で共有するケースは、昨今多い傾向にあります。
私たちは『盗撮行為は伝染する』と考えています。SNSなどを見て『自分もやってみたい』『自分にもできるのでは?』と思い立ち、軽い気持ちで盗撮を始めてしまうケースが多い。また、盗撮は極めて依存度の高い行為で、SNSの中には『盗撮をやめたいが、やめられない』と言っている人さえいるのです」
警察庁が発表した2023年の盗撮検挙数は6933件と過去最多を記録している。前年比では1196件増加しており、このうちスマホによる盗撮が5474件と8割近くを占めている(*1)。盗撮行為は伝染する。ひとりひとりが、「盗撮は犯罪である」という意識を強く持っておきたい。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班