婚約破談直後に親友の死が発覚
本当にそんな軽いニュアンスの連絡だったのかと再度尋ねた。
「もう少し言葉は丁寧に書いてあったとは思うし、それに謝り的な言葉も入ってたと思うけど、そんなしっかり読みたくないし読み返してもないので…まあそんな感じの言葉でした」
あまりにも衝撃的なLINE。先生はそれに対し返事はなんと?
「『わかった』とだけ返しました」
これまた驚きの返し。「ナシなものはナシなんだろうし、理由なんて聞けません」と言う。
「でも薄々、断ってくる可能性もどこかで感じてはいました。きっと親御さんとか友達とかから、何かいろいろと言われて心が揺らぐこともあるだろうなとか。きっと僕と彼女だけだったら彼女も迷うことはなかったと思うけど、周りがいろいろと言ってくることで心変わりしたのかなと。あまり深く考えても仕方ないので、考えないようにしています」
先生には北海道に移住したら思い描いていた未来もあったという。
「嫁と一緒にレトロゲームをプレイするYouTubeチャンネルを開設するのもいいなとか…。彼女はゲームをしない子でしたけど、ファミコンのいろんなクソゲーとかの彼女が知らなかったであろう楽しい世界を教えてあげたかった」
北海道があまり関係ないのはさておき、そんな夢が叶うことはない現実を受け止め、「南海トラフ地震がいつ起こるかわからないし、こうなったら気持ちを切り替えて嫁を探したいですね」と前を向く先生。
だがそんな先生のもとに、さらなる悲劇が降りかかる。先生が2005年から連載していた『小田原ドラゴンくえすと!』にも登場し、週刊誌などでライターをしていた石川キンテツさんが突然亡くなったのだ。
「キンテツに最後に会ったのは6月11日でした。新宿でラムしゃぶを食べながら近況報告をする中で、僕はキンテツにマウントを取るために婚約したことも言いました。でも結局ダメになって、ポストした同じ日の7月8日に「残念だけど結婚はなくなったよ」とキンテツにLINEしたんです。でも2日経っても3日経っても既読がつかない。
おかしいな…って思って知人女性からもキンテツにメールしてもらいましたが、それにも返信がないという状態で。これは体調的な問題で何かあったな…と思っていたんです」