卓球部のユニフォームは派手すぎる?
「また、ユニフォームでからかわれることも結構……。体育祭の部活動対抗リレーでは、ユニフォームが派手すぎて目立ってしまい、ほかの部活に『なんでそんな派手なんだよ!笑』とツッコまれました(笑)」(30代男性・元卓球部)
協会がよかれと思って改革したユニフォームの派手化だが、当の学生たちにとっては困惑する面もあったようだ。それでも近年は、水谷隼や石川佳純、そして今回のパリ五輪の早田ひななど、卓球界には国民的スター選手が続々と誕生しているのだが……。
ほかにも、現役の学生からはこんな声もあがっている。
「高校に入って、友達に卓球部だったことを話したら、『卓球部って暗いよね笑』って言われたことがありますね。『そうかなぁ……明るい人も多いんだよ〜』『サーブとか戦法も考えなきゃすぐ負けちゃうからけっこう大変なスポーツなんだけどねぇ』とか反論してますが、相手はあまり納得してくれず。私の中学では先輩後輩めっちゃ仲よかったし、すごい明るい子ばっかりだからそういう偏見があるのは悲しいなぁって思いますよ!」(15歳・女子高校生)
さらに12歳の男子中学生・Rさんに話を聞くと、また別の体験談も飛び出した。
「僕の中学校では、バドミントン部のほうが卓球部より権力があって、バドミントン部が体育館を使うときは、僕を含めて6人しかいない卓球部は、無条件で体育館から追い出されます。そもそも、『男子卓球部はバド部の下位互換!』と言われています」(12歳・男子中学生)
しかし、元卓球部、現役卓球部が偏見に苦悩する一方で、今年の5~6月にニフティが運営する子ども向けサイト「ニフティキッズ」で、小中学生を中心とするサイト訪問者2103名にアンケートを実施したところ、なんと今回のパリ五輪で一番興味がある競技ランキングで、卓球がバレーに次ぐ2位となっていた。バスケやサッカーなど、“陽キャ”イメージが強い競技をさしおいての2位は快挙といってもいいだろう。
東京五輪の視聴率ランキングでも、卓球は野球・マラソン・サッカーに次ぐ高視聴率をとるなど、国内での人気がかなり高まりつつあることはもはや明確だ(番組平均世帯視聴率、ビデオリサーチ調べ、関東地区、速報値)。
やはり十数年前と比べると、卓球を取り巻く環境に大きな変化があるのだろうか。「たしかに人気の高まりを感じます」と話すのは、チャンネル登録者数180万人を超える「卓キチちゃんねる」を運営する卓球インフルエンサー・中西淳(@chikuwa141)さんだ。
「スポーツ庁が発表しているデータを見ても、少子化で他の部活の競技人口が減る中で、卓球部だけが右肩上がりです。また、僕自身、いろいろな大会に出て幅広い年齢層の方々と交流する中で『部員が増えた』とか、『卓球場が増えた』という話を本当によく聞きます。体感としては、2016年のリオ五輪のあたりから特に盛り上がっていると感じますね。
サッカーや野球のYouTuberといえば、元プロ選手が盛り上げていますが、卓球界は僕も含めて、あおちゃん(『あおちゃんねる』)とかユージくん(『ユージくんの卓球部屋』)とか、一般の卓球好きが盛り上げているのが特徴で、こうした敷居の低さや親しみやすさも卓球人気の高まりに繋がっているのかなと」(中西さん)
たしかに卓球の元プロ選手がYouTubeなどで目立った活躍をしているのはあまり見かけないが、一般の卓球に特化したチャンネルが数百万人、数十万人のチャンネル登録者数を誇っているケースは結構ある。
ちなみに、卓球を愛する人としては、タモリや稲中卓球部についてはどう思っているのだろうか。