定年4.0の時代に残る仕事と働き方

この定年4.0の時代に認識しておくべき労働市場の変化が、次に挙げた4つです。

•AIやロボットによる単純労働の自動化(ホワイトカラー含む)
•慢性的な人材不足と雇用の偏在(都市と地方)
•大きな労働移動の必要性(配置転換、副業、転職など)
•正社員からフリーランスへ(自分の雇用を自分で創出)

マクロなトレンドとしては、テクノロジーの進化により、AIやロボットが導入され、現在の仕事に必要なタスクの自動化が進み、人員削減に取り組む企業が出てきます。

〈定年4.0時代到来〉中高年が知るべき労働市場の4つの変化…「人材不足の分野の仕事しか高齢者には選択肢がない」現状に抗う術はあるのか?_2

一方で、少子高齢化が加速し、このままだと日本全体で慢性的な労働力不足が解消できる見込みはありません。そして現時点では、高齢者が就業可能な職種は極めて限定的で、介護、清掃、警備等、特に体力が必要な仕事が中心です。

こういった複雑な変動要素が絡み合う中で、突きつけられた現状をそのまま受け入れると、本人が望むと望まざるとにかかわらず、

「人材不足の分野の仕事しか高齢者には選択肢がない」

ということも大いにあり得ます。

止まらない人材不足の影響で、慢性的な低賃金だった分野での給与改善が進み始めていますが、定年前にもらっていた給与と同じレベルは望めない方も多くなるのではないかと思います。

なお、労働移動とは、経済学用語で、労働者が労働市場を通じ、部門間、組織間、産業間、地域間等で移動することを指します。

わかりやすい例では、就職、転勤、転職などが一般的です。組織内外を区別する際に、組織内を「内部労働市場」、組織外を「外部労働市場」と呼んだりもします。組織内での配置転換は、内部労働市場における労働移動に該当します。組織外へ転職することは、外部労働市場への労働移動にあたります。

ここでいう「大きな労働移動」とは、「組織内の成長事業」や「組織外の成長産業」への労働移動をイメージしています。

では、このような未来が迫る中、私たちは将来に向けてどのような対策を講じることができるのでしょうか。