最初のきっかけは「ただの悪ふざけ」

–––––毎日セーラー服姿で出歩いていて、飽きることはないんですか?

セーラー服で出歩くようになったのは2011年6月からなので、今年で14年目になります。でも、まったく飽きないですね。死ぬまでこの格好を続ける予定です。

正直、最初のころは多少「人から見られたい」という気持ちやワクワク感がありましたが……今では慣れてしまって、セーラー服でいるのが一番快適だから着ています。むしろ、ほかの格好をするのが面倒くさいと感じるようになりましたね。

「セーラー服が一番快適」と語る小林秀章さん
「セーラー服が一番快適」と語る小林秀章さん

–––––セーラー服以外のコスチュームを着てみたいと思うことはないですか?

女子のブレザーとか、ロリータ服を着てみようかなと考えることもあります。でも、コーディネートが難しいですし、いつもと違う格好をするとみんなに気づいてもらえないうえ、避けられそうなのでハードルが高いです。

SNSやテレビで「セーラー服おじさん」として有名になったので、この格好だとみんなに馴染みがあるから、普通に外を出歩けるんですよ。でも、もし今と違う格好をしたら、周囲の反応が気になってビクビクしちゃうと思います。だから、「もうずっとセーラー服でいいや」という感じです。

–––––もともと有名になりたいという願望はあったんですか?

いや、そんな願望はなかったですし、まさか自分が有名になるとも思ってなかったです。この格好をするようになった最初のきっかけは、ただの「悪ふざけ」だったので。

私たちのような昭和のおじさんたちの間では、セーラー服と聞くと、「三つ編みをしていて、清純で汚れを知らない女子高生」というイメージがあって。私のようなおじさんがそうした格好をするという「ミスマッチ感」が面白いと思ったんです。

–––––「セーラー服=三つ編み」というイメージがあるから、髭を三つ編みにしているんですか?

そうです。私は頭髪で三つ編みができないから、髭でしています。今日は1番派手なリボンを髭につけてきました。

「セーラー服=三つ編み」というイメージから、髭を三つ編みにしている
「セーラー服=三つ編み」というイメージから、髭を三つ編みにしている

–––––セーラー服姿で常に過ごしていて、生活に支障をきたしたことはありますか?

人から驚かれることはあっても、面と向かって何か言われたり、過激に反応されたりすることは意外とないんですよ。

昔は飲食店に行ったとき、「そのお召し物ではちょっと……」と入店拒否されることがありました。でも、今は多様性の時代なので、そういったことはまったく言われなくなりましたね。年々過ごしやすくなってきています。