きっかけは、ゲイ向けの出会い系アプリ
––––タカフミさんとハヤトさんは、どんな幼少期・学生時代を過ごされたんですか?
タカフミさん 中学生くらいのときは、自分がゲイであることにすごく悩みましたね。「自分は女の人を好きになれないのかな」と思って、変わる努力をしたこともありましたが、やっぱり変えられなかったです。
ハヤトさん 私は物心ついたときからずっと自分はゲイだと思っていたので、女性と付き合うとか、そういうことを考えるのも無理でした。一方で「たぶん男の人とも付き合えないな」とも感じていたので、「自分は一生一人で生きて、死んでいく人生なんだろうな」と思っていましたね。
––––学生時代は、どんなことが辛かったですか?
タカフミさん 僕は全寮制の高校に通っていたのですが、恋バナとかに入っていけないのが辛かったですね。
ハヤトさん どっちかというと、僕は昔から男性より女性の友達のほうが多かったんですけど……。小学校のとき、女友達と恋バナをしていて、ポロっと好きだった男の子の名前を言っちゃったんですよ。「自分は〇〇くんのことが好き」って。
そしたら、その女の子に「男の子が男の子を好きになっちゃいけないんだよ!」って言われて、世間と自分はズレてるんだって思いました。それから「男の子は女の子しか好きって言っちゃいけないんだ」と思うようになり、友達には好きでもない女優のことを好きとか言って、男の子が好きなことを隠していました。
––––2人の出会いは?
タカフミさん 2015年くらいに、ゲイ向けの出会い系アプリを通して出会いました。そのときは、お互いに恋人を探しているというよりは、「ゲイの看護師の友達が欲しいな」と思ってアプリを使っていました。
––––お互いの第一印象は?
ハヤトさん 出会い系アプリに載っていたタカフミの写真がド金髪で、「ウェーイ!」みたいなイケイケな雰囲気で。「この見た目で看護師なんだ。興味あるな」と思ったのが最初の印象です。でも、実際会ってみたら黒髪で、そのうえ目も合わせてくれなくて、「人見知りがすごいな」と思いましたね。
タカフミさん アプリには学生時代の写真を載せていたんですよ(笑)。
ハヤトさん それで、会ったときにタカフミから「僕、実はカミングウトしているんだよね」って言われたんです。当時、僕はカミングアウトしていなかったし、自分の周りでカミングアウトしている人が誰もいなかったので、「この人すごい!」と思いました。
タカフミさん 僕は20歳のときから、親以外にはカミングアウトしていました。
ハヤトの第一印象は「見た目がかっこいいな」で、いい友達になりたいなと思いました。そのとき僕が看護師1年目で、ハヤトが5年目くらいだったので、仕事の先輩っていう感じでしたね。