あいさつをする親の姿を見せてきただけ

小さい頃からあいさつを身につけるために大切なことは何でしょうか。

子どもは親のまねをしますから、まず、親が人と会ったときには、必ずあいさつをすることが大事です。子どもは、親が口で教えたことだけではなく、日頃の態度や生きる姿勢から学んでいます。

たとえば、「こんにちは」「さようなら」といった基本的なあいさつに加えて、何かでお世話になった人に出会ったなら、

「先日はありがとうございました」

これからもおつきあいが続く人と別れるときには、

「お先に失礼いたします。また○○でお会いしたときには、どうぞよろしくお願いいたします」

などと、ひと言つけ加えたりします。

その時々の人との接し方は、なかなか子どもに教えられるものではありませんが、子どもはちゃんと親の姿を見ているものです。

写真はイメージです。画像/Shutterstock
写真はイメージです。画像/Shutterstock

高校1年生だった長男は、璃花子が新しいスイミングスクールに通うことになって、妹のコーチに大会で会ったとき、

「これから妹がお世話になります。よろしくお願いします」

とあいさつしたと聞きました。

コーチに、「立派な息子さんですね」と言われて、大変うれしかったです。

璃花子は、東京オリンピックの会場に入るとき、警備の方に「暑いのにお疲れさまです。いつも警備をありがとうございます」と必ず声をかけていたと、警察の担当の方からあとでお手紙をもらって知りました。

私は子どもたちに、「こういうときには、こんなあいさつをしなさい」と教えた覚えはありません。ただ、「きちんとあいさつをしようね」と教え、あいさつをする親の姿を見せてきただけです。

子どもは親の後ろ姿を見て、自分なりに考えて、自分が出合った出来事のなかで応用していくのだと思います。