留学先で双子を妊娠、帰国へ

その後、中国語を習得した蓮舫氏は留学1周年という名目のもと、内モンゴル自治区から四川省の成都を巡る18日間の単独旅行にも出ていた。

「言葉さえできれば何とかなる!」と三段ベットの寝台列車を乗り継ぎ、砂漠では子どものように大はしゃぎ。1泊25元(約350円)の安宿に泊まったり、囲いのないトイレで爽快な体験をしたりと、旅行を存分に楽しんだ。それと同時に大きな学びも得たようだ。

「経済発展著しい中国ですが、『人の営み』というものは、『経済』じゃ簡単には変わらない。その実感こそ、今回の旅で得た一番の収穫だと思います」(『COSMOPOLITAN 日本版』1996年12月号より)

この留学には1993年に結婚した(2020年に離婚)元夫で、当時ジャーナリストの村田信之氏(現釜石市議会議員)も同行していた。異国の地で夫婦生活を送るなか、蓮舫氏は1997年1月に双子を妊娠したため、大学を退学。日本へと帰国した。

(『COSMOPOLITAN 日本版』1997年8月号より。撮影/後藤さくら)
(『COSMOPOLITAN 日本版』1997年8月号より。撮影/後藤さくら)
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「まわりに親戚もいない、友達もいないという外国でお互いしか頼るものがないわけです。そこで唐突に妊娠してしまった。つわりはある、イライラする。彼はそれをそばでずっと見てるわけですね。まさにサンドバッグ状態です(笑)。それを逃げもせず受け入れてくれた。あの我慢強さはすごいと思います」(『COSMOPOLITAN 日本版』1997年8月号より)

蓮舫氏は2004年の政界進出後も『COSMOPOLITAN 日本版』に登場している。そのなかで自らの結婚観や夫婦のパートナーシップについて「妻である前に、個人としてどう充実した人生を送るかが大事」としていた。

「でも結婚は“対人間”。あれこれ予測して予防策を講じても、想定外のことは必ず起きます。だから、思いきって飛び込んでみて、ダメだったらそのとき対策を考えればいい。それくらいの気持ちでいいと思います」(『COSMOPOLITAN 日本版』2005年7月号より)

結婚、出産、子育て、離婚を経験し、仕事ではタレント、キャスター、留学、政界進出と着実にステップアップしてきた蓮舫議員。次なるステージとして東京都知事という重責を担うことはあるのか。投開票は7月7日に行なわれる。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班