あの頃は自分を大人だと思っていなかった

――ここからのSOPHIAの活動は、すべてそういう「最初で最後」というものになっていくわけですね。

そうありたいですね。これまでメンバー5人で一緒にやってきてるので、そこに向かうんだというのはみんな理解できるはずなんですよ。それに、自分なりにそれぞれ蓋をしたものがあると思うので、そこに向き合ってほしい。

そういう関係性でいられたら、復活した意味もあると思う。僕は毎回これで最後だと思ってやっているから、もう我慢しなきゃいけないこともなくて。我慢するのって、関係性を保って長くそこにとどまりたいからじゃないですか。でも僕は別にとどまらなくてもいいし、ここで終わってもいいって今は思えるから。

「荒んだ心に蓋をしないと進めなかった」激動の時代と走ったSOPHIA松岡充「今世界に必要なのはどれだけ柔らかい心で包めるか。そんなのロックじゃないよというならロックじゃなくていい」_3

――デビュー後から20代、30代は、そうした我慢をしたり、感情に蓋をしてきたとおっしゃっていました。

自分たちを大人だと思ってなかったです。30を超えても、勝手な大人たちや社会に対するアンチテーゼや疑問をずっと変えたまま、「自分たちは大人じゃない」って言っていて。いやいや、年齢的にももう大人でしょ。今だったら、そんな自分に対して「それは無理だよ」って、もうひとりの自分がつっこむと思う。「それ、あんたがやってんだよ」って。

――敵だと思って怒りをぶつけていた大人は、自分自身でもあったと。

そうです。今は「まさに自分だ」とわかっているけど、本当は当時からそうだったんです。