中学時代はバスケ、夢はF1レーサー
――お父さんからみた学容疑者はどんな子でした?
「自分が見るかぎり、学は優しくて本当にいい子なんですよ。それこそ自分の影響で、学は昔から車やオートバイが好きでね。子どものころからスポーツカーやF1レースの本とかをよく読んでて、将来の夢もたしかF1レーサーだったと思う。
特別に性格が明るい子ってわけじゃなかったけど、地元の中学校ではバスケットボール部に所属していて、なにか悪いことをするような子じゃなかった。
高校では部活に入らなかったけど、高校3年生のころに免許を取ってからは毎月のように、車好きの友達とドライブに出かけてたし、鈴鹿サーキットにも観戦しに行ってたね。学生時代はとくに彼女がいたとか聞いたことはなかったけど、オートバイ仲間も多かったから女の子の友達がウチに来たこともあるよ。
運送会社に就職してからも日産の『GT-R』って車を買ったり、その後もいろいろ乗りかえてた。学はタバコもギャンブルも酒もやらないけど、車とバイクだけは相当好きだったんだろうね」
――バツイチだと聞いています。
「どこで知り合ったか知らないけど、学は30歳すぎのころに出会った女性と結婚したよ。それが15年くらい前かな。学に恋人がいたとかそういう話は、これが初めてだったと思う。
ウチの2階に一緒に住んでて、仕事がない日はよく奥さんと一緒にドライブに出かけてたね。でも5年くらい前に出ていかれてな。本人は『いろいろあったから...』と言うだけで詳しいことは話さなかった」
――その後、Aさんと出会った?
「やっぱり寂しさはあったんじゃないかな。ちょうど奥さんと別れてから『推し活』とかいってK-POPにハマりだして、しょっちゅうライブにも行ってたし。そこで出会ったのがAさんで、たしかTWICEってK-POPアイドルのライブだかオフ会だかで仲良くなって、その子が経営するガールズバーに通うようになったって聞いたよ。
そしたら急に『結婚する』と言い出した。貯金もすべてなくなった後にその女性と揉めて『お金がない...』とよく愚痴をこぼすようになったし、車だって、仕事用の軽自動車しかないからドライブにも出かけなくなった。仕事が休みの日も引きこもるようになって少し性格も暗くなったから、『学のヤツ大丈夫かな?』って思ってたらこんなことになってしまって...。
テレビには『ストーカー』って大々的に報じられてるけど、学はお金を返してほしかっただけなんだよ。もちろんやったことは許されることじゃないけど、少しでも(Aさんが)お金を返してくれたらこんなことにはならなかったと思う...」
ふた回り以上年下の女性にハマり、道を踏み外したバツイチの一人息子を父親は終始かばい続けていた。
だが、父親がどうかばおうと自宅前で待ち続け、Aさんをメッタ刺しにした和久井容疑者は断じて“いい人”ではない。警視庁は9日、殺人容疑に切り替えて和久井容疑者を送検した。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班