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「判決が出たあと支えるとしたら、もう俺しかいないとは思ってる」
刑事責任能力の有無の判断のために行なった親子3人の鑑定留置は、異例ともいえる長さの半年間に及んだ末、札幌地検は「罪を立証するだけの証拠が集まった」と親子3人を起訴した。これについては#11でも詳報している。親子3人を一番よく知るであろう瑠奈被告の祖父に今の心境について尋ねた。
「(起訴されたことについて)何も感じない。もう、あとは裁判に任せる。裁判で本人たちが話すのを待つだけだ。どんな判決が出るかはわからんが、判決が出たあと支えるとしたら、もう俺しかいないとは思ってる。
もちろん俺は修の親だし、育てたんだからそりゃ小さい頃から知ってるんだけどもさ。瑠奈のことだってよく知ってる。けど、俺が今さら何か言っても始まらんし、何も答えるつもりはない」
事件から8ヵ月、ようやく事件も進展したが、初公判までは長期化する可能性もあるという。社会部記者が語る。
「瑠奈被告と修被告は裁判員裁判での審理になりますので、公判前整理手続きが必須となります。また、修、浩子両被告は否認していることもあり、初公判まで1年以上かかる可能性もあります」
Aさんが殺害され、首を切断された現場である、すすきの地区のホテルは事件が発生した昨年7月2日以降、今も“対応”に追われている。
第一発見者の従業員(♯2参照)をはじめ、ホテル関係者は何度も捜査に協力してきた。7月24日にホテルの営業が再開したことは♯6でも報じたが、営業再開から7カ月、客足は戻らず、部屋の改装もできていない状態だという。ホテルの施設管理者が肩を落とした。
「今でも事件の起きた2階の部屋は使用しておりません。2階には全部で2部屋ありますが、両方とも使用しておらず、エレベーターも停まらないようにしています。
事件のあった部屋はまだ特殊清掃をしただけで、これから浴室や壁紙も含めすべて修繕をしようとしています。浴室はリフォームというよりは丸ごと取り替えようと思っていまして、現在、業者と打ち合わせしています」