九州男児の嫌なところが全部出てくる
――大吉さんが漫画を読まれて、初めて知った内容はありましたか?
大吉 帯にある推薦コメントを書いたときはまだ前半部分しか仕上がってなかったんです。後半に入ると、おじさんたちが登場してずいぶん話が変わる。
清人 おばあちゃんのエピソードだけにこだわって描くつもりはなくて。3人のおじさんたちも一緒に住んでいたし、近所のおばちゃんや幼馴染とか、同級生たちの話も生活に大いに関わってくるので。だから、自然と後半は登場人物が多くなる流れになったんです。
――佐田さん?らしきかたも少しだけ登場されていましたが、今後の展開は考えていますか?
清人 そうですね。今回、描いた部分は幼少期の一部なので。すでに漫画にも登場していますが、学校のクラスメイトや近所のおばちゃんたちのエピソードもまだまだいっぱいありますし、できれば続けていきたいですね。
大吉 表現がちょっと難しいですけど、読みたい気持ちと、読んだらしんどくなるだろうなぁという気持ちが半々です。だって、『おばあちゃんこ』には、九州男児の嫌なところが全部出てくる(笑)。そういうのを見て育って、「あんな奴にはなりたくない」っていう世代なので。山ほどいたもんね、ああいう人たち。
清人 いましたね。もちろんしんどかったときもあるのですが、それでも、みんなに愛してもらっていたとは思っているんです。おばあちゃんにも、周りの人にも。……いや、マサおっちゃん(※同居するオジサンのひとりで、祖母の長男。夜に暴れ回る酒乱)は違うかな(笑)。
大吉 あのオジサンの行動とか、実写だったらシリアスすぎて、本当に辛い気持ちになると思う。冷静に一コマ一コマ見たら、地獄でしかない。映画化はできないやろね。でも漫画だからサラッと読めるっていうのはあるでしょうね。
取材・文/森樹
写真/石田壮一
漫画/おおみぞきよと
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