「用事があって15日の月曜日から福岡にいます」

犯行はこの目撃証言の後、16日未明にかけておこなわれた。

調べなどによると、まず15日深夜に佐々木容疑者を「アニキ」と呼んでいた平山綾拳容疑者(25)が、佐々木容疑者の指示に従い元俳優の若山耀人容疑者(20)ら2人に車を貸している。この2人は品川区内の空き家から、殺害されたか抵抗不能の宝島さん夫婦を車に乗せて那須まで走り、遺体に火をつけたとみられている。

2人に車を貸した後、平山容疑者は16日未明に五反田の居酒屋で佐々木容疑者と落ち合っており、その数時間後に那須で焼けた遺体が見つかって事件が発覚した。

東品川の空き家(撮影/集英社オンライン)
東品川の空き家(撮影/集英社オンライン)

「17日深夜になってEの店長が、佐々木に『今日はキャッチに出てくれるのか』とLINE
でたずねると『体調が悪くて休んでいます』と返事がありました。ところが19日夜になって『用事があって月曜日から福岡にいます』と言ってきた。

月曜日と言えば15日ですよね。体調が悪くて休んでいるのだと思っていたEの店長は『なんで福岡にいるわけ?』と少し不信感を抱きましたが、佐々木が『住所変更や免許の関係の手続きをしている』と説明したので納得したといいます」(同前)

その後も佐々木容疑者は上野に戻ってくることはなかったが、Eの店長は4月下旬に友人と福岡へ遊びに行く計画が以前からあり、佐々木容疑者と福岡で会おうと考えていた。

「店長は25日の夕方にLINEで佐々木に、『29日に一緒に福岡で食事をしよう』と誘うと、佐々木は快諾し、昼に博多名物の水炊きをどの店で食べようかという相談のやり取りが二人の間で何度かありました。佐々木からのLINEは27日の昼が最後になります。

警視庁の調べでは、佐々木は事件後、福岡に動いていますが、25日には沖縄へ行っています。Eの店長はそれを知らず、佐々木はずっと福岡にいるものだと思ってやり取りをしていたようです」(同前)

平山容疑者(知人提供)
平山容疑者(知人提供)
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警視庁担当記者によると、佐々木容疑者は福岡から沖縄へ行く際に、福岡へ戻ってくる復路の航空券も予約しており、福岡では友人と遊んでいたとみられる形跡もある。つまり福岡・沖縄行きは“逃亡”ではなく、一仕事終えた後に羽を伸ばしていた節があるのだ。

さらに「佐々木は、Eの仕事を紹介してくれたFさんと沖縄滞在中に会っていた可能性があります。Fさんはかなり前から沖縄に在住していましたから」と前出の関係者は話す。