「裏の駐車場で警察官に囲まれていた」

事件は16日早朝、同町伊王野の林道脇の河川敷で男女の遺体が燃えているのが見つかったことで発覚。2人とも両手を結束バンドで縛られ、頭部をビニール袋と粘着テープでぐるぐる巻きにされ、仰向けにX字に重ねられていた。

男性は東京・上野で焼肉店など飲食店14店舗を経営する「サンエイ商事」(東京都台東区)社長の宝島龍太郎さん(55)と判明。女性は遺体の損傷が激しく身元の確認に至っていないが、行方不明の宝島さんの妻、A子さんとみられる。

司法解剖で死因は2人とも頸部圧迫による窒息死と判明、A子さんは頭部を骨折するなど生前に激しい暴行を受けた形跡があった。

宝島さん(知人提供)
宝島さん(知人提供)
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宝島さんはJR上野駅から御徒町駅にかけた繁華街で焼肉店や居酒屋など14店舗を経営しており、ライバル店と日常的に客引きを巡ってトラブルが頻出していた。

夜間は自転車や徒歩で経営店舗を回って売上金回収などをしており、事件前日の15日午後9時15分ごろと同9時半ごろ、台東区内の防犯カメラに宝島さんとみられる男性が映っている姿が確認された。社会部デスクが解説する。

「午後9時15分ごろの映像はグレーの上着に黒いズボン姿の宝島さんが自転車を押して歩く姿が映っており、9時半の防犯カメラには自転車はなく、歩く後ろ姿だけが映っていた。自転車は付近で発見され、さらにその後、宝島さんがA子さんとみられる女性と車に乗り込む防犯カメラ映像も見つかった。

宝島さん夫妻は車で拉致監禁されたうえ殺害され、栃木県の現場まで運ばれて遺棄後に火をつけて損壊されたとみられます。遺棄現場には燃料を入れる携行缶も見つかっており、捜査本部は車や携行缶、殺害に使用された凶器などを平山容疑者が準備したとみて追及し、共犯の割り出しを急いでいます」

捜査員と話す平山容疑者とみられる男性(写真左・近隣提供)
捜査員と話す平山容疑者とみられる男性(写真左・近隣提供)

平山容疑者が住む埼玉県越谷市のアパートの近所の女性がこう証言する。

「17日の夜から近所に変な車が停まっていたので18日朝に警察に通報したら、実はその変な車が警察の捜査車両だったみたいです。そうこうしているうちに、アパートの2階に住んでいる若い男の人が、裏の駐車場で警察官に囲まれていて、その人の車がレッカーされていきました。黒いプリウスだったと思います。

その人が『平山』という名前だったことは、今日のニュースで初めて知りました。よく真っ赤なダウンを着ている人でした。引っ越して来たのは何ヶ月か前。半年は経っていないです。

当時、40~50代の上司っぽい人と20代くらいの若い人と一緒に後ろが平べったい2トントラックで来て、ほんの少しの荷物を下ろして引っ越し作業はあっという間に終わりました。上司っぽい人が『お前も頑張れよ』と言っていたのを覚えています」