「売掛がなくなってつまらなくなった」 

「以前までは、月末の締め日に担当(ホスト)のために高額な掛け(売掛)をして、翌月の返済日までに風俗店に鬼出勤したり、スキマ時間に立ちんぼしたりして死ぬ気で稼ぐ、というホス狂の流れがありました。もちろん辛いんですよ? でも、なんだか生きている実感もあったんです」

朝方の歌舞伎町はかつてのカオスぶりを失っていたが…
朝方の歌舞伎町はかつてのカオスぶりを失っていたが…

それが今年4月に売掛禁止になり、変化がおとずれた。

「事前に現金を用意しないと遊べなくなったし、担当に『立替』してもらうにしても20~30万円程度で、バンバン売掛してたころに比べると物足りない。返済日も明確に決まってないから『この日までに死ぬ気で稼がなきゃ!』という気持ちになれず、つまらないんですよね……。

私の知人にも売掛縮小が始まった今年1月から『もう担当のためにがんばれそうにないかも』とホスト通いをやめたり、まだこっそり売掛をやっている別の店舗に流れたりする子が出てきました」(同)

時刻は午前5時過ぎ。泥酔してろれつが回らないながらも、街ゆく女性を片っ端からナンパする2人組男性や、「帰りたくない―!」と泣き叫びながら男性とタクシーを待つ女性など、日の出とともに奇行にはしる男女も増えてきた。それでも、酔いつぶれて路上に寝ていたり、「ふざけんな、金返せ!」とホストの胸ぐらを掴む女性の姿で溢れていた、去年までのカオスな様子は見られない。

片っ端からナンパをする男性二人組
片っ端からナンパをする男性二人組

「それは、きっと掛けが廃止されて、情緒が安定している昼職の子が増えたからでしょう。彼女たちはナイトワーク1本の女の子と違ってクレジットカードを使えるし、消費者金融で多額の現金を借りられる。

売掛した女の子に飛ばれるよりも、そういう昼職の女の子のほうが信頼できるから、きっとホスト的にもありがたいんですよね」(同)

反対にロリータや地雷系ファッションといった、いかにも“風俗嬢っぽい恰好”をしている女性に対しては、新規入店の際に「すみません、いま席が埋まってまして……」と入店拒否するケースも増えたという。