「ある漫画家の話の巻」(ジャンプ・コミックス152巻収録)
今回は、少女漫画誌「別冊サファイヤ」の覆面作家、春姫月(ハルキ・ルナ)の正体をめぐるお話をお届けする。
性別や本名、年齢、出身地、ひととなり……といったプライベートデータを明かさない作家は珍しくない。
その理由は、「個人情報を知られるのを好まない」「作家以外の仕事を持っている」「作風やジャンル、メディアによって複数の筆名を使い分けている」「性別をはじめとする個人情報によって作品の読まれ方にバイアスがかかるのを避けたい」など、さまざまだろう。
作画よりは作風によって特定さにくいためか、漫画原作者が版元や作品によって複数の名を使い分けることもために見受けられる。これは必ずしも正体を隠すためだけではなく、ビジネスをスムーズに進めるための方策のひとつであることもある。
また、単にデータを明かさないだけでなく、架空のプロフィールを掲げる場合もある。
本作では、両さんが春姫月の正体を明らかにしてひと儲けしようと、あの手この手で関係者の攻略をはじめるのだが……? 「別冊サファイヤ」編集部の辣腕編集者・竜千士氷(りゅうせんし・ひょう)との知能戦が見どころだ。
それでは次のページから、正体不明の漫画家をめぐって両さんが巻き起こす騒動をお楽しみください!!