誓約書に書かれた「罰金250万円」の文字

社員とも顔見知りとなり、てっきり採用されるだろうと思っていたら、面接での不合格。唯一接点のあった社会から否定された気分になり、そこからメンタル面がおかしくなっていったという。追い打ちをかけたのは、コロナ禍でのオンライン化のため、気軽に周りに相談できる環境がなかったことだ。

「大学4年は卒業研究があるので、早めに就職先を決めて、就活を終わらせたかった。そんなとき、ネットで知り合った就活アドバイザーに、某ハウスメーカーを紹介してもらい、大学4年、2021年5月に最終面接の末、内定をもらいました」

大学内からイチョウを撮った写真(もんてん。さん提供)
大学内からイチョウを撮った写真(もんてん。さん提供)

だがこの会社には、入社前から「自分に合っていない」と違和感を抱いていたという。就活時の面接はすべてオンラインだったためわからなかったが、入社前の対面イベントで、いわゆる“陽キャ”系の会社と判明。社員たちは“元気があれば労働時間が長くても構わないみたい”なテンションだった。

さらに、もんてん。さんは、入社前から会社に何度も呼ばれ、決して近くはない自宅と会社を何度も往復することとなった。それでも「もう就活したくない。ここしかない」と自身に言い聞かせ、内定式や研修を済ませていった。
 

しかしそこから、さらなる“地獄の日々”が続いていくことになる。

「入社前に一泊二日の研修がありました。私は疑念を持ったまま参加し、内心ではこのままこの会社に染まりたくないと思っていました。そんなとき、研修中に泣き出す同期を見て、『なんかおかしい』と思い始めました。そして研修の最後に、提出してほしいと渡された誓約書に『就業規則を守れない場合は、罰金250万円を代理人とともに請求させていただきます』と書かれており、これまたおかしいなと思いました」

もんてん。さんは2022年の3月にコロナに感染。研究室の打ち上げも卒業式も行けないまま大学生活を終え、メンタルもふらふらのまま、入社初日を迎えることになった。

大学時代に住んでいた部屋(もんてん。さん提供)
大学時代に住んでいた部屋(もんてん。さん提供)