小学校でいくらかかった?

我々の推計によれば、東大合格者の小学校時代の教育投資の平均は約316万円です。これは公立小学校に通ってほぼ学費ゼロの人から、私立小学校に通っている人まで含みます。

小学校での教育投資の使いどころは大きく分けて2種類です。ひとつは塾や予備校。もうひとつは勉強以外の習い事です。100人中76人が「塾以外の習い事をしていた」と回答しています。

そのうち多かったのは、ピアノと水泳です。前項でも解説した通り、小学校時代の塾や予備校は1年あたり100万円程度かかります。そのうえで、中学受験の基本は小学校4年生から3年間通うことです。塾によっては小学校4年以降の入塾を断っているところもあり、現在の受験対策の早期化が見て取れます。

ちなみに家庭教師を活用している家庭は少なく、今回の調査では100人中9人のみが「家庭教師がついていた」と回答しています。家庭教師がついているかよりも、塾に通っているかの方が重要なのかもしれません。

「東大合格のための教育投資の平均値は約870万円」と東大生ライターが推計、東大生の中受経験者は6割、塾以外の2大習い事とは…_2

小学校時代の塾通いの比率は?

100人中64人が小学校の時に「塾に通っている」と回答しており、そのうち一番多かったのは日能研でした。次点でSAPIXと公文式が続きます。日能研、SAPIXは中学受験では特に有名なので、知っている方も多いかもしれません。

参考までに日能研の授業料を見てみると、小学校4年生時点での月謝はおよそ2万円となっています。しかし、これはあくまで小学校4年生時点のものであり、小学校5年、6年と年次が上がっていくにつれて、徐々に学費は高くなっていきます。追加で入会金や模試の費用、教材費などがかかります。初期費用としては12万程度を見ておくといいでしょう。

また、ホームページで公開されている講習費一覧には、「期間講習」の費用が載せられていません。期間講習とは、夏休みや冬休み中に開講される特別講座のことで、建前上では参加自由となっていますが、期間講習まで参加して初めてカリキュラムが終了するなど、実質強制参加になっているケースも少なくありません。

期間講習は、その塾にもよりますが、1講座あたりのバラ売りになっているケースもあります。1つ授業を受けるたびに2万円~3万円払わなくてはいけなくなることも珍しくなく、非常に高額になる傾向があります。参考までに、日能研が2023年に出している夏期講習のチラシを見てみると、小学校6年生向けの夏期講習は、4教科受講の総額が199650円、2教科受講の総額が130350円となっています。