こうした風潮は現在、就職活動をしている令和の大学生たちの心理にも、少なからず影響を及ぼしているという。

「就活生たちにとって出版社の人気は相変わらず高いですが、週刊誌配属となると話は別です。張り込みや長時間労働があることから、ただでさえ“仕事がキツそう”というイメージがある上、昨年は大手出版社の週刊誌でパワハラ騒動も報じられたこともあり、『週刊誌は職場環境そのものが前時代的』と考える学生も少なくない。

さらに苦労を重ねてスクープをとったところで、今回の松本騒動のように世間からバッシングをくらうのならば、“何のためにやっているのか”となってしまうでしょう」(マスコミ就職塾講師)

写真/東京地方裁判所
写真/東京地方裁判所

取材に奔走するスクープ週刊誌記者たちも、こうした風潮を肌で感じているという。

「松本さんの報道意向、著名人がSNSなどで『週刊誌記者が、名前も顔も晒さずに記事を出すのはアンフェアだ』と主張するケースが多く、これが一定の支持を集めているのも記者にとっては逆風になっている。

実際、最近は取材した対象者から、記者が名刺や連絡先をSNSなどで晒されてしてしまうケースもある。こうなってしまうと、学生たちからしたらは“週刊誌は割に合わない仕事”と思われてしまうのではないか」(写真週刊誌記者)

今回の松本人志騒動は、スクープ週刊誌が今後もメディアとして存続できるかの、ひとつの転換点となるのかもしれない。

取材/集英社オンライン編集部ニュース班