「子どものいない我々夫婦にとっては店が子ども」
朝起きて人が欲するものは、熱源・水分・ミネラル・タンパク質、そして若干の塩分だ。一見、一般的なラーメンとは真逆だが、「五福星」の朝ラーではそれを実現させている。丁寧にとった和出汁に、少量のぬちまーす(塩)とカツオを加えたお湯を注ぎ、体が求めているような味わいを作っている。清湯だがスープが分厚いと話題だ。
「子どものいない我々夫婦にとっては店が子どものようなものです。それをいったんなくしてまでスタートすることなので、絶対的な成功に持っていきたいと考えています。それも、自分たちだけでなく人が喜ぶ成功にしていきたいのです」
早坂さんが考えるのは“三方良し”の展開。自分のやりがいだけでなく、来るお客さんが楽しめ、さらに他にやりたい人がいればやり方を提供できる……それでこそお世話になったラーメン業界への恩返しになる。
仙台のレジェンドの挑戦はまだまだこれからだ。未来を見据えた展開にますます期待したい。
《後編へつづく》
取材・撮影・文/井手隊長