男性は3人に1人、女性も5人に1人は結婚しない
実際、私の調査でも、同じ50代独身者でも離別者や死別者の方が、未婚者よりも結婚意欲が高く出るのです(2022年科学研究費による調査婚活をしている50代独身者6.8%、うち50代離死別男性14.6%/恋人がいる人、未婚者13%、50代離死別男性23%〈山田昌弘2022「中年独身者の生活実態と将来不安」中央大学社会科学研究所年報26号〉)。
さて、この「生涯未婚率」ですが、終戦直後の1950年時点では、なんと男性は1.5%、女性は1.4%でした(1900年生まれ相当)。つまり100人いれば、男女共に98人は結婚していた計算です。戦後から高度経済成長期までの日本社会は、国民のほとんどが結婚する「皆婚」社会だったと先に述べましたが、この数字からますます納得できるのではないでしょうか。
さらに時代を経た1995年時点でも、「生涯未婚率」は男性9.0%で、女性は5.1%です。男性が100人いれば、90人は結婚していたし、女性も100人中、95人は結婚していた計算になります(2024年現在79歳前後)。2000年時点ですら、男性12.6%、女性5.8%であることを見ると(現在74歳前後)、ごく最近まで、日本人の大多数は「生涯一度は結婚するもの」であったと言えるでしょう。
ところがその後、日本の「生涯未婚率」は急上昇していきます。2010年には、男性20.1%に、女性10.6%になり、2020年には男性28.3%、女性17.9%になりました。2035年には、緩めの推計でも男性29.0%、女性19.2%まで上昇すると考えられています(平成28年版厚生労働白書・生涯未婚率の推移〈将来推計含む〉)。
現在の状況に鑑みるに、そのスピードはさらに加速するかもしれません。私たち日本人は、男性は3人に1人、女性も5人に1人は結婚しない社会に生きていくということです。