「集英社ゲームクリエイターズCAMP」の利用頻度を高めたい

――「集英社ゲームクリエイターズCAMP」の課題はありますか?

山本 いやぁ~、結構ありますね(苦笑)。1年でここまでやっとこられたという思いはありますが、常により良いものをお届けしなければと感じています。

大きなところとして、機能改修・向上への取り組みはしておきたいです。とくに法務的な知識と、国内外に向けた宣伝を体系的にサポートできたら、小規模なチームの福音になりそうだと考えています。なかなか難しいチャレンジではあるのですが。

 今はゲームクリエイターズCAMP自体が投資フェーズなので赤字が出るのは覚悟の上なのですが、サービスの年間維持費くらいは生み出さないと継続が厳しくなってしまう点は課題だと考えています。クリエイターさんたちからお金をいただくのではなくスポンサーさんを見つけたり、ちょっとした依頼サービスを提供したりと、違うジャンルで成功しているビジネスモデルはいろいろと道はあると思うので、皆さんが納得できる形で継続性がある仕組みをつくりたいです。

その前に、今のサービスをもっとちゃんとユーザーの皆さんに使われるようなものに改修するのが先ではあるのですが。

「集英社ゲームズ」がタイトルづくりで最も大事にしているものとは?_12

――「集英社ゲームクリエイターズCAMP」はあまり使われていないのでしょうか。

 ムーブメントを起こせたとは思いますし登録者数も多いです。毎日アクセスしてもらえるといった使用頻度では課題があると感じます。

山本 今時のゲームクリエイターさんは進捗内容にハッシュタグを添えてツイートするなどして、Twitterをうまく作品のプロモーションに活用している方が多いですね。Twitterは多くの人の目に留まりやすいツールなのですが、どんなクリエイティビティを持った方なのかを調べるためにツイートをたどるといったことをやろうとすると一苦労になります。

その対策として、Twitterのプロフィールや固定ツイートに「集英社ゲームクリエイターズCAMP」のポートフォリオURLを載せるといった使い方をしていただけるような仕組みができるといいなと思っています。

その他、手軽に仕事を受発注できるシステムを構築できたらよく訪れてもらえそうですが、サービスが負う責任の範囲が大きくなりますし、コミュニティに属する楽しさを損なうことにもつながる懸念があります。軸足をどこに置くか、いつどうやってスライドさせるのかは慎重に決めたいです。