集英社ゲームズと「集英社ゲームクリエイターズCAMP」の関係

――集英社ゲームズは「集英社ゲームクリエイターズCAMP」のサポートに入り、サービス本体は集英社に残っています。

 集英社はクリエイターを応援する組織であること、集英社ゲームズはゲームパブリッシャーであることを考えると、集英社に残しておくのが妥当だと判断しました。ゲームクリエイターズCAMPは今はゲームクリエイターに特化した支援サービスを提供していますが、将来的にはイラストレーターなどに対象を広げる可能性もありますしね。

また、「集英社ゲームクリエイターズCAMP」は集英社ゲームズも含め、どのゲームメーカーにもポジションを取らないフラットな立場を維持していくべきだとも考えています。ただし、まったく関与しないわけではなく、これまで僕たちが培ってきた運営のノウハウがあるので集英社ゲームズが運営の立場でお手伝いをしている、という状況です。

――集英社DeNA プロジェクツは「集英社ゲームクリエイターズCAMP」のなかでどういった立ち位置なのでしょう。

 集英社が母体として運営し、集英社DeNAプロジェクツはDeNAさんのノウハウをお借りして、サービスの機能開発・改善やコミュニティ運営などを担っていただいています。

――「集英社ゲームクリエイターズCAMP」を1年運営した成果はいかがでしょう。

 まず、登録者数は4000人を超えました。ユーザーさんがゲーム作りに必要な人を募る「募集」機能も使われるようになってきており、新しいゲーム作りのチームがいくつも作られています。

「集英社ゲームズ」がタイトルづくりで最も大事にしているものとは?_10
「集英社ゲームクリエイターズCAMP」の職別登録者 ©SHUEISHA GAMES All Right Reserved.

たまたまではありますが、講談社さんでも同じようなタイミングで似た企画がスタートしたこともあり、出版社が個人や少人数のゲームクリエイターを応援する流れが生まれました。その副次的効果なのかもしれませんが、会社を辞めて独立してゲームを作るようになった人がここ1・2年で増えてきたようにも感じます。本気でゲームを作りたい方々の後押しができているのでは、と思いはじめてきました。

山本 個人や少人数でゲームクリエイターとして活動している方は日本に1万5000人ほどいると言われています。「集英社ゲームクリエイターズCAMP」にはそのカテゴリーに属さない方もいるとはいえ、4000人以上が登録していただいていると考えると、日本のゲームクリエイターさんの集まるポータルサイトの規模としては日本一ではないでしょうか。

この大きなコミュニティから、新しいチームや作品が次々と生まれるサイクルがうまく回ってくれたらと期待しています。

「集英社ゲームズ」がタイトルづくりで最も大事にしているものとは?_11

――コンテストも何度か開催していますね。

 2021年には『ONE PIECE』のカジュアルゲームコンテスト『連載1000話連動企画ONE PIECE GAME賞』、オリジナルゲームコンテスト『GAME BBQ』を開催しました。『GAME BBQ』で大賞を取った方々と企画しているゲーム『シュレディンガーズ・コール』は近いうちに制作に入る予定です。入選作品についてもゲーム化の確約をする賞ではなかったのですが、プロデューサーが数か月ほど相談相手になっているうちに企画が磨かれたものもあり、いくつかは支援プロジェクトとしてゲーム制作に入る可能性も出てきています。

KONAMIさんの過去のゲーム作品を使った『KONAMIアクション&シューティングゲームコンテスト』は現在審査中で、とても良い感じの企画が集まっていると聞いています。こちらも個人的にはとても楽しみです。