自制心をきかせるなんて無理

次も、恋愛がらみの振り回され案件。ラジオパーソナリティ・コラムニストのジェーン・スーさんのラジオ番組に寄せられたのは、「元彼のTwitterやFacebookを見るのがやめられません」という女性からの相談です。「こんな自分が嫌で、いいかげんもうやめたいです」とも。TBSアナウンサーの江藤愛さんを聞き手に、スーさんが身もふたもなく答えます。

〈ここで自制心をきかせて、見ないようにするなんてことは、残念ながら、無理だと思います。やめられる可能性がひとつあるとしたら、自分が新しい恋を始めて、そっちに夢中になる。そんなことになったって、ちょっと余裕ができたら、見ちゃうし。うまくいってても、「あっちはどうかなー」って見ちゃうし。(中略)これはもう本当に、時代とザッカーバーグを恨む。それで自分を責めない。これでいかがでしょうか〉
※初出:TBSラジオ「ジェーン・スー相談は踊る」(2014年4月~2016年4月)。引用:ジェーン・スー著『ジェーン・スー 相談は踊る』(ポプラ文庫、2017年刊)

「見ないようにするのは無理」という前提に立つと、自己嫌悪は薄れそうです。自分の弱さというか、人間の弱さを受け入れることで、ふくらんでいく罪悪感や被害妄想に押しつぶされる困った事態を防げるかも。スーさんは「SNSと恋愛は、ホント相性が悪い」と力を込めて言います。恋愛がらみでSNSがプラスに働くケースもゼロではなさそうですが、きっと今日もあちこちで、はるかに多くのマイナスな作用を及ぼしていることでしょう。

「世界のムラカミ」さんら、各界の賢人たちはSNSの悩みに何と答えてきたのか?_2