これからの時代は「野望を持つ人」が有利になる
――他に、うまくいくためのポイントはありますか?
従業員が抱えている、“ひどい真実”を洗い出すことです。例えば、ある企業に「業界シェアが下がっている」「相見積もりで他社に負ける」という問題があるとします。
このとき従業員は「自分だったら自社のプロダクトを買いたくない」という“ひどい真実”を抱えていました。この“ひどい真実”が、問題のドライバー(問題の発生源)となっているんです。企業は問題のほうを解決しようとしますが、本当は“ひどい真実”であるプロダクトの課題を解決しないとだめですよね。
この“ひどい真実”を解決するときには、脳内の文章を「なぜできないんだろう?」という“Why”から、「どうすればできるだろうか?」という“How”に書き換えることが大事です。そうすると、これまで“Why”しか考えたことのなかった人も、自然と“How”を考え始めることが多いんですよね。そして「〜だからできない」と思っていたのが「できるかもしれない」になり、「できる気がする」と変わっていきます。
できる気がしないとやる気がしないじゃないですか。だから私たちは、この「できる気がする」という雰囲気作りをお手伝いしているんです。
――これからも成長する企業やビジネスパーソンになるために、どのようなことが必要でしょうか。
まずは企業のトップが野望を持つことじゃないですか。そして、野望を持ちたい従業員も持てばいい。今は野望を持つ人が少ないからこそ、野望を持っている人が有利な時代だと思います。
野望の持ち方がわからないなら「どうすれば野望を持てるだろうか?」と“How”を考えてみればいい。野望の種を自分で蒔いてみてはどうでしょうか。
文/久保田まゆ香 取材・編集/金指 歩 画像/shutterstock