「すごい会議」で実践している一つのこと
――まず「すごい会議」とは何か、教えていただけますか。
大橋(以下同) 「すごい会議」とは、1975年にハワード・ゴールドマン氏(以下、ハワード)らによって考案された、企業の問題や課題を解決するための経営ミーティング手法です。本書では「組織の自己啓発」とも記載しています。
私たちは会議をマネジメントそのものだと考えています。そのため「すごい会議」を行うと、短期的で明確で共有・共感された目標が立てられたり、目標を実現するための最適な役割と責任分担が明らかになったりと、経営に直結するような効果が期待できます。
――AppleやAdobe、モルガン・スタンレーなど、世界の名だたる大企業が「すごい会議」を導入していますが、どんな会議を行っているんでしょうか。
大企業で働く人々は、日々自分がやるべき仕事をしているわけですが、ひとつの目標に向かってしゃかりきになっている状態は稀なんですよね。その状態を実現するために、短期的かつ関連する全員が満足する目標があって、「これをやったらうまくいくぞ!」という作戦が見つかり、それに向かって問題解決をしている状態を作る、ということを日本でもアメリカでもやっています。
ただし、「すごい会議」の受け手が何を受け取るのかはさまざまです。以前、ハワードの誕生日パーティーがあったんですが、セミナー形式だったんですよ。そこではハワードの顧客だった8名がスピーチしたんですが、「効果的なマネジメントプロセスが手に入った」「売上や成果が手に入った」など、得られたものが人によってかなり違っていました。やっていることは同じなんですけれど。