新築マンションのメリット

小さな家の住み心地はヌケ感のある、なしで全く違ってくる。マンション購入者に聞いた「希望する間取りランキング」ではダントツ1位、半数近い人が「角住戸」と答え、第2位が専用ポーチとあった。(「スーモ」2023年4月11日号)ここはポーチこそないものの、角住戸のため人が玄関先を通ることもない。

モデルルームも見ないまま、母に勧めたマンションだったが、現段階では引っかかる点がなく何よりだ。こうなったら、一日も早く完成したマンションを見たい。

今回、新築マンションを選んだのは性能への期待も大きかった。これまでは中古物件をリフォームして、理想の家を作って暮らすことに腐心してきた私だった。リフォームの実録を何冊も本に書き、50代までは安くて自由度の高い中古物件が一番だと思ってきた。

だが歳を重ねるうちに別の考えも生まれた。親しい年上の友人が新築マンションに移り、何度も訪ねるうちに、抗えない性能の価値を実感したのだ。

外熱を通しにくい複層ガラスの窓は寒暖差が少なく、夏と冬はありがたさが身にしみた。冬は、ゆるい床暖房の微熱も逃がさず、部屋全体がほんわかと温かい。また、24時間換気で空気がよどみやすいトイレも洗面所もいつもクリーンである。

そんな経験から、部屋が狭くなっても、住宅の性能を上げるほうが高齢者にとっては快適に暮らせるはずだと思った。

また、なぜ購入するのかについては、高齢で借りられないことが大きい。そして老人ホームの高額な入所費用を支払うことを考えれば、月々の使用料もかからず、マンションという資産は残る。もちろん、置かれている環境や健康状態など人それぞれだから一概には言えないが。

80代にして中古住宅でも老人ホームでもなく新築マンションを買う…母と私の合言葉は「将来売りづらくならないようにしないとだね」_2
写真はイメージです

契約を結び、実際のモデルルームも見た後、二人の暮らしに合わせ、変更工事のプランを作った。何度か修正をかけ、見積もりを取り直していく。

「あれ、その寝室のコンセントは、この前やっぱりいらないとキャンセルされましたよ」などとМさんが、こちらが何を変更したのか、忘れていることを正してくれる。毎日、書類の束と格闘している私としては、その度に救われるのであった。