「シャーシャー猫が心を開いてくれる瞬間がうれしい」との声も

「集え!強者たちよ! 最強の保護猫譲渡会開催のお知らせ!」

1月8日、埼玉県川越市と大宮市で保護猫カフェを運営する「ねこかつ」が、X(旧Twitter)に上記の文言から始まる「最強の保護猫譲渡会」と名付けられたイベントの情報をポストすると、牙をむいて威嚇する猫の写真が並べられた譲渡会ポスターのインパクトも相まって、約400万回も表示されるなど(2月中旬時点)、大バズリ。

「最強の保護猫譲渡会」とはつまり「人に慣れていないシャーシャー猫だけの譲渡会」のことで、この試みは「すげぇ興味ある!」「ぜひ成功してほしい」など多くのXユーザーから賛同を得ている。

愛猫家にさえ敬遠されることもあるシャーシャー猫。なぜこれに特化した譲渡会を開くことになったのか。保護猫カフェの運営のほか、毎週末に譲渡会を開催している保護猫団体「ねこかつ」の代表、梅田達也さん(51)にその理由を聞いてみた。

――まず、「シャーシャー猫だけの譲渡会」の開催に至った経緯を教えてください。

梅田達也さん(以下、同) 保護猫カフェや譲渡会で里親希望の方と話すなかで、「シャーシャー猫が心を開いてくれる瞬間がうれしい」とか「同じ空間でスヤスヤ安心して眠っている姿を見られるだけで満足」という言葉を聞くことがあり、シャーシャー猫でも家族に迎えたいという方が少なからずいると感じたんです。

――宣伝ポストが大変な評判となりました。

とは言っても、シャーシャー猫は譲渡会ではなかなかお迎えが見つからないのが現状です。だから開き直って「人に慣れてなくて警戒心が強い性格」を前面に押し出してみたらこんなに話題となってしまい……(苦笑)。SNSウケを狙ったわけではなかったので驚いてます。

島忠ホーム所沢店協力のもと開催された「ねこかつ」の譲渡会
島忠ホーム所沢店協力のもと開催された「ねこかつ」の譲渡会
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――SNSでは「行ってみたい」という声も多く寄せられました。

保護猫団体としてはうれしいかぎりですが、シャーシャー猫は人間に虐待された過去があったり、さまざまなトラウマを抱えている子もいて、簡単には懐かない。だから「猫がかわいければそれでいい」「そばにいてくれるだけでいい」という寛大な心を持った里親さんに恵まれるのが一番ですね。