実は販売してすぐ終売に追い込まれた

コンビニなどで売られている「ブラックサンダー」の2022年までの出荷本数は、累計17億本を突破し、まごうことなき国民的人気菓子である。その生誕は遡ること1994年。

それまで同社は軽い食感のチョコレート菓子「チョコナッツスリー」が主力商品だったが、より食べ応えがあるザクザクした食感を目指して、子ども向けの新商品としてブラックサンダーが開発された。

クッキーベースでボリュームがあり、ココアのほろ苦さとチョコレートの甘みがマッチした味わいが特徴。ネーミングも、見た目のチョコの「ブラック」に子どもたちが大好きな戦隊ヒーローを連想する「サンダー」を組み合わせて考えられたが、発売当初これがほとんど売れなかったという。

「ひと目で義理とわかるチョコ」から「あげる楽しさをすべての人に」…もうすぐ発売30周年・累計17億本超えのブラックサンダーとバレンタインのいい関係_1
1994年発売当初のブラックサンダーのパッケージ
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「原料にこだわっていたため、30円で販売しましたが、当時の子どもの駄菓子としては高価だったようです。パッケージも『BLACK THUNDER』と英字表記になっていて、子どもには読みにくかったかなと…。売れ行きが悪く、1995年にはいったん販売を終了することになりました」(有楽製菓株式会社 広報担当、以下同)

しかし、商品に惚れ込んでおり、可能性を捨てきれなかった九州エリアの営業担当者の熱意により、1996年から九州エリア限定で再販売することに。

すると大学生協を中心に徐々に売れ始めたのだ。

「子どもにとって30円は高いけど、大学生にとっては買いやすく、食べ応えがある、なによりコスパが高い商品という認識が広まり、注目されるようになりました。これをきっかけにコンビニでの販売に力を入れ、2005年には再度全国展開させました。

その前の2003年には課題だったパッケージの表記をカタカナに変更したことも、人気が出始めたきっかけだったと思います」

「ひと目で義理とわかるチョコ」から「あげる楽しさをすべての人に」…もうすぐ発売30周年・累計17億本超えのブラックサンダーとバレンタインのいい関係_2
現在のパッケージ

2008年に体操の内村航平選手がいつも現地に持っていくお菓子として名前を上げ、メディアにも取り上げられ話題となったこともある。

そして2009年には出荷本数が1億本を突破したという。販売翌年の終売から見事に復活したブラックサンダー、2011年には愛知県豊橋市に新工場を竣工、増産体制を整え、現在に至るまでさまざまな商品を送り出しているのだ。