意味を見いだせない文化が消滅の危機に
キャリアの研究などを行うライボは、義理チョコに関する調査結果(「2024年 バレンタイン実態調査」)を発表した。その統計によると、2024年2月に職場の人にバレンタインの菓子を渡さないとの回答は89.3%に及んでいる。
今や約9割の人は義理チョコを渡す意向がないのだ。
職場の人へバレンタインの菓子を渡したという割合は、コロナ禍前の2019年が14.4%。2023年は4.8%まで減少している。コロナ禍の2021年でもこの割合は6.9%あった。オフィスや学校に行くのが当たり前になって、義理チョコを渡す機会は今や増えているはずだ。義理チョコ文化そのものの意識に変化が生じている。
渡さない理由として、「特にバレンタインを気にしていないから」との回答が3割に及んでいる。また、準備や時間が面倒、お金がかかるからという回答も同様の割合を占めた。
義理チョコとホワイトデーによるお返しは、職場や学校の人たちとの信頼構築やコミュニケーションを活発化させる意図が込められていた。しかしながら、一連のやりとりが何らかの成果として実を結ぶわけでは決してない。
コロナ禍は組織内でのデジタル化や効率化を急速に推進したが、そこに意味を見いだせない義理チョコ文化も淘汰されたと見ることができる。これは飲み会文化、いわゆる「飲みニケーション」が消滅しつつあるのと似た動きだろう。