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悪習慣の罠にハマった人たち。
チョコレートがやめられない…菜々子の場合(31歳・WEBデザイナー)

患者の菜々子は、31歳で広告会社のWEBデザインの仕事をしている。彼女は、最近チーフを任されて多忙な日々を送っていたらしかった。

だが、これまでの業務とまったく違い、自分の力不足を感じるばかりだったと、彼女は診察のときに私に話した。とはいえ、仕事は取引先に指定された期日までに間に合わせなければならない。焦りと連日の残業で、菜々子の心と体の疲労はピークに達していた。

「菜々子さん、お客さんからいただいたチョコ食べます?」

その日も菜々子は残業をしていた。同僚の薫に声をかけられ、パソコンに向かって集中して書類を作っていた菜々子が顔を上げた。時計は夜7時。後ろを振り向くと、アメリカの人気ブランドのチョコレートの袋を持って薫が立っている。

本当は怖すぎるチョコレート依存症「もうそんなに食べちゃったんですか…」ごはんの代わりに摂取はマジでやばい_1
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「ありがとう!ここのチョコレート大好きなの。キャラメル味が最高。あ、これキャラメル味だ!疲れているときは、こういう差し入れってホントに嬉しい」

「菜々子さん、昨日も遅くまで働いてたでしょ。もらったメールの送信時間が22時回っていました」

「そうなんだよね。今、急な仕事が割り込んできてて結構大変」

「無理しないでくださいね。手伝えることあったら言ってください。最近、取引先の50代の女性が脳出血で入院されたんです。菜々子さんもあまり働きすぎてたら、そんなことになるかもしれませんよ」