飲食店で1回当たりに使う金額が変化

そして、同月における100世帯当たりの月間利用頻度を見ると、食事を行う頻度そのものが1割上がっており、洋食レストランの利用頻度は7.4%増加していることがわかる。

100世帯当たりの外食頻度 ※総務省家計調査より筆者作成
100世帯当たりの外食頻度 ※総務省家計調査より筆者作成

この結果から、サイゼリヤの客数が増加した理由を推察することができる。そして下の表が、1世帯当たりが1回当たりの食事で支出した金額を独自に割り出したものだ。

1回当たりの支出額(円) ※総務省家計調査より筆者作成
1回当たりの支出額(円) ※総務省家計調査より筆者作成

パスタなどの「他の麺類外食」は、7.4%も上昇している。洋食は5.4%下がっているが、ピザなどの「他の主食的外食」は3.9%上昇した。サイゼリヤが得意とする、「他の麺類外食」「洋食」「他の主食的外食」を合わせると、1.5%増加している。これらの要素を総合すると、消費者はインフレにある程度慣れ、飲食店で1回当たりに使う金額が変化したと推測できる。

さらにリベンジ消費が影響しているだろうが、利用頻度も上がっているのだ。

サイゼリヤは値上げをしないと宣言したことにより、消費者ブランド選好度が高まって集客に成功。消費者意識が変化したことによって客単価も上がるという、好サイクルの恩恵を受けた可能性が高い。