コロナ禍がぼったくり組織の追い風に
こうした手口の客引きが横行しだした背景にはコロナ禍も関係しているようだ。同エリアで10年以上お店を続けている大手チェーン店の関係者が、手を変え品を変えてのぼったくりの手口にため息を漏らした。
「コロナ禍の最中はこの辺の居酒屋もどんどん潰れていったんです。それで一時期はキャッチの姿もほとんどいなくなりました。しかし、そのタイミングで台頭してきたのが今回摘発された悪質ぼったくりのキャッチです。店が多く潰れたので空きテナントもありましたし、当時は入居審査も甘くなっていました。
知らない店名だとお客さんもなかなかついていかないでしょうから手口が進化していったのだと思いますが、ウチもいい迷惑でした。店名が酷似している焼き鳥チェーン店なんかは本当に誤解されて大変だったと思いますよ。客引き行為を注意すると、蜘蛛の子を散らすようにいなくなるのですが、また気づくと客引きを行なっているんですよね……」
逮捕された客引きグループはゴジラロードと歌舞伎町一番街の雑居ビルの隙間を縫うように移動し、警察官や客引き監視員の目を逃れて客引きを行なっていたという。
当然だが、彼らは自身が逮捕されるリスクもわかって客引きをしていたという。前出のA氏がこうした客引きたちの実情を明かす。