外国人が語る異国での被災体験

極寒の被災地では、温かい風呂に入りたいという切実な願いが誰しもある。七尾市中心部から北に約30キロ離れた公立穴水総合病院には13日、自衛隊が簡易入浴施設を設置した。取材班が訪れたこの日は、インドネシアとベトナムから技能実習生として穴水市に来ている介護職の女性が入浴サービスを利用していた。

アユさん(25)、フォンさん(25)、エルナさん(28)の3人は、異国の地での被災経験をどう受け止めているのだろう。

穴水病院でボランティアから物資を受け取る被災者
穴水病院でボランティアから物資を受け取る被災者

「私たちは技能実習生で日本に来ていて来年の3月までいます。地震があったときはそれぞれ仕事をしていたりしていました。地震のあと、2人は避難所にいましたが、今はフォンのアパートが無事だったので、そこで3人で暮らしています。

地震はとても怖かった。日本はとてもいいところで、技能実習が終わってもまた来たいと思っていますが、石川県は怖いので次は他のところに行くかもしれません」

入浴ができ、笑顔の外国人技能実習生
入浴ができ、笑顔の外国人技能実習生
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何も石川県ばかりが地震に見舞われるわけではないのだが、トラウマになりそうなほどの恐怖体験だったのだろう。被災者全員の心細い日々がいち早く解消されるよう、願うばかりだ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/Soichiro Koriyama

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