ちゃんとしてるほうがかっこいい
──20年間のたくさんの思い出の中で、一番印象に残る衝撃的な出来事を教えてください。
小学5年生のとき、父が出演する映画の撮影で訪れていた小笠原諸島でサメに遭遇しました。しかも両腕を広げたくらいの大きなサメで、まずはみんなに知らせなきゃと思って「サメー!」と叫んだんです。
父曰く、そのときの僕は膝ぐらいまで海から飛び上がっていたみたいです(笑)。今までの人生で一番びっくりした思い出です。
──では、今の窪塚愛流さんに大きな影響を与えた出会いは?
僕の土台を作ってくださったのは、高校の校長先生です。高校3年生に上がる直前に、正門で身だしなみを注意されたんです。
「お前はよくも悪くも目立つから、身だしなみだけはちゃんとしろ」って。
それまではブレザーの下にパーカーを着たり、ネクタイを下げて締めたり、漫画に出てくるようなチャラい感じで着崩していたんです。
でも、校長先生に注意されてからは「確かに制服ってネクタイをビシッと上まで上げて、模範的な着方をした方が格好いいな」と気づいて、それまでの自分がダサく感じて制服の着方を変えました。
それまで友達口調で話していた先生にも、しっかり敬語を使うように心がけたり、学校や生徒たちの役に立ちたくて生徒会の副会長に立候補もしました。自然と先生からの頼まれごとも率先して行うようになりました。
──ものすごい急変ぶりですね!
20歳になった今も、校長先生から言われたことは今の僕の基盤になっています。怠けていた時期と、いろいろなことに真摯に向き合えた時間を経験できたことは、いま俳優の仕事をしていく上での糧にもなっています。