「最初から最強の布陣が約束されていた」制作秘話
漫画『キングダム』は登場人物同士の何気ない会話から名場面にいたるまで、ビジネスにも活かせる思考や会話術がふんだんに散りばめられている。そのため『キングダム』に絡めた、何冊ものビジネス書やコミュ力を高めるため自己啓発書が、これまで発売されてきた。中でも本書『『キングダム』占い』は、ファンムックと言っても過言ではないくらいに物語とシンクロされ、加えて水晶玉子氏による占いで、自分のタイプから仕事場での人間関係、さらにはライバルとの「戦い方」まで楽しみながら学ぶことができる。
――水晶先生、そもそもこの『『キングダム』占い』を作ることになったきっかけは何だったのでしょう?
元々は『キングダム』が映画化される2019年当時に私が連載の占いページを担当しているファッション誌「メンズノンノ」(2019年4月号)の付録として生まれました。その担当となった若い編集さんは、かなり前から「いつかジャンプヒーローを集結させた占いをやりたい」っていう、中華統一以上の壮大な夢を語っていたんですね。
――確かにそれは、中華統一とドッコイなビッグドリームですね(笑)。
はい、その編集の彼女がまさにこの『『キングダム』占い』で採用した「オリエンタル占星術」では、大きなスケールの夢を描いて実現する「虚宿」タイプなんですね。これはキングダムキャラでいうと、まさに「瀛政(えいせい)」になります。ちなみに彼女の上司で、書籍の編集に関わってくださった方は、頭の良さではダントツの「觜宿」の「昌文君(しょうへいくん)」。私はというと、ピンときたら突っ走れる「危宿」の「羌廆(きょうかい)」ですが、途中でこのキャラの組み合わせに気づいて、燃えましたね。最初から最強の布陣が約束されていたわけです(笑)。
――その最強の布陣で、どのように水晶先生の「オリエンタル占星術」の27つの宿(=タイプ)を『キングダム』のキャラクターに当てはめていったのでしょうか?
2019年にメンズノンノの付録として作るときはコミックス50巻まで出ていたので、まず1ヶ月間かけて漫画を読み込みました。何の占いを使って占いにするかは決めていなかったのですが、原先生が描いたキャラクターの個性や背景、一人一人の人物像がものすごく丁寧にしっかりと描かれていることに驚き、27宿も分類がある「オリエンタル占星術」もいけると思ってあてはめてみたらピタピタと組み合わさっていったんです。
――一番悩んだキャラクターは?
人の気持ちがよくわかって、心を掴むのが上手い「心宿(しんしゅく)」ですね。最終的に「慶舎(けいしゃ)」に当てはめたのは、登場シーンは少ないものの、やはり“沈黙の狩人”として序盤で印象的な知将だったからですね。彼はわりと早くに志半ばで亡くなってしまいますが、だからって運が悪いとかではなく、“そういう使命と個性を持って生まれ懸命に生きる人”として捉えてもらえたいなと思いました。