芝居は自分にとって生きざま

WEST.重岡大毅が共感した「芝居は殺し合い」の真意。30歳までに成し遂げることの大切さを教えてくれた大先輩俳優の存在_4
©️2024映画「ある閉ざされた雪の山荘で」製作委員会 ©️東野圭吾/講談社

──飯塚健監督が、それぞれのキャラクターの考え方などをセリフに盛り込んだとおっしゃっていますが、久我らしいセリフはありますか?

「あなたにとって芝居とは?」と聞かれたとき「殺し合い」と答えたところかな。殺し合いなんて大袈裟かもしれないけれど、俳優たちはオーディションで生き残ることを目標にしているので、ある種、殺し合いみたいなものなのかなと思いましたし、僕自身もそういう道を通ってきましたから。

まだ20代前半のころは余裕がなくて、「このオーディション通らなかったらどうしよう」と思ったり、ドラマや映画出演が決まった人に対してうらやましく思ったり。でもその気持ちは決して悪いことではなく、同世代に実力派の仲間がいたからこそ切磋琢磨していけたんだと思います。だから「殺し合い」なんて過激なセリフだけど、久我が言わんとしていることはわかりました。

WEST.重岡大毅が共感した「芝居は殺し合い」の真意。30歳までに成し遂げることの大切さを教えてくれた大先輩俳優の存在_5
©️2024映画「ある閉ざされた雪の山荘で」製作委員会 ©️東野圭吾/講談社

──いまの重岡さんが「芝居とは何ですか」と聞かれたら?

「生きざま」ですね。正直、ひと言で言い表すことは難しい。でも、この世界で10年以上、僕なりにいろいろなことを経験してきました。自分の過去と今の自分の気持ちを集約できる言葉は「生きざま」だと思います。