世界中、どこにいても仕事はできる

「20代の恋愛は先のことなど考えていなかった」「想像を絶する絶望や失望は何度もあった」人生のハンドルを自ら握って運転を始めた山下智久。独立から3年で身につけた“急がば回れ”の精神_1
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──山下さんが独立されてから今年で3年目となります。大きな後ろ盾がなくなる独立に、当初不安はなかったのでしょうか?

もちろん不安はありました。でも自分で運転したかったんですよ。誰かに運転を任せるのは楽ですが、やっぱり自分の人生ですからね。ハンドルを握って、やりたいことを見つけて、実現に結びつけていきたかった。

遠回りになるかもしれないし、全くの無駄足かもしれない。それでも自分のやりたいことを追求したいし、その過程も楽しみたかったんです。そのほうが絶対におもしろいと思いました。

──自分の人生のハンドルを握ってみていかがですか? 独立後の道のりについて教えてください。

いろいろ大変なことはありますし、道はまだまだ荒れていますね(笑)。そんな中でも一緒に旅をしてくれる心強い仲間はいますし、自分で運転しているからこそ見えてくる景色もある。

スピードも以前に比べたら遅いかもしれないけれど、そのほうが「生きている」という実感があるんです。荒れた道のほうが心拍数も上がりますし、記憶にも残りますから。

「20代の恋愛は先のことなど考えていなかった」「想像を絶する絶望や失望は何度もあった」人生のハンドルを自ら握って運転を始めた山下智久。独立から3年で身につけた“急がば回れ”の精神_2

──高いモチベーションを維持し続ける原動力は?

波はありますよ(笑)。モチベーションがあったり、なかったりすることはあります。でもモチベーションが上がらずに前に進めなくなったら、休めばいいんです。

トレーニングをしていても「もうこれ以上は無理だ」という瞬間があるじゃないですか。そうしたら休みますよね。休んで、またトライして、そうやって前に進んでいく。心の持ちようもそれと一緒だと思います。

“急がば回れ”みたいな感じですね。

──海外での活動も積極的に行っていますが、ご自身の中ではどのような位置づけなのでしょうか? 海外を拠点にすることも視野に入れているのですか?

今はどこにいても仕事ができる時代だと思っています。ですが、海外での活動を目的にしているわけではなく、新しい感覚、自分にない感性を持っている人と仕事がしたいんです。一緒にコラボレーションをすることで、自分が違う色にどんどん変化していくことを体験したい。おもしろい出会いや経験ができるのであれば、どこでも行きたいです。

あとは、時間をしっかりかけられる仕事をしたいなとも思っています。僕は俳優としてテレビドラマで育ったので、やはり常に時間に追われるなかでの撮影が多くて。限られた時間の中で最高の作品を作ろうと懸命に努力するドラマの現場は、本当にすごい。でも僕の場合は、メンタル的に焦ってしまうこともあったので、違う現場も経験していきたい。

今は量より質を重要視したいと思っています。