完璧じゃない。諦めないだけ

「この映画でBLの世界を表現できるのは僕と愛之助さんとのシーンだけだから」GACKT自ら監督に願い出たたこ焼きソースの演出とは_5

──体調不良による無期限の休養から復帰されて2年ほど経過していますが、休養している間に気持ちの上での変化はありましたか?

やっぱり死を隣に感じたので、今は生きてるだけで感謝してます。毎朝、目が覚めると「お! まだ生きてる、ラッキー!」って思うようになりました。

──麻実麗は高校生という設定です。GACKTさんが高校生のころ、どんな学生でしたか? 

体が弱かったのであまり思い出はありませんが、当時の自分に声をかけられるなら「医者や薬に頼らず、食事を変え、トレーニングしろ」と言います。いや、むしろ、ボクが料理やトレーニングのメニューをすべて考えて渡したいです。

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──何をやってもスマートにこなすイメージがあります。弱点はありますか?

ボクは完璧じゃないですよ。むしろ逆です。何をやっても習得するのが遅いので時間がかかります。ただ諦めないだけで。願いが叶うなら、脳を取り替えてください。もう少しスペックの高い脳が欲しいです。

──海外で生活していると、日本のことを俯瞰で見られるのではないかと思います。今の日本のエンターテインメントは、GACKTさんの目にどう映っていますか?

エンターテインメント自体は業界が縮小しています。パイが少なくなっている現状で、日本国内だけでの活動にはやはり無理があります。海外での活動も含めて展開する必要があると思います。

日本はやはり、今でも鎖国的感覚が他の国よりもはるかに強いので、政策も含めて海外での活動をバックアップする動きが必要なんじゃないでしょうか。


取材・文/斎藤香 撮影/小田原リエ ヘアメイク/タナベコウタ スタイリスト/Rockey

『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』(2023)上映時間117分/日本

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かつて東京から蔑まされていた埼玉県人は、通行手形制度を撤廃し、自由と平和を手にいれた。その立役者・埼玉解放戦線を率いる麻実麗(GACKT)と壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は、「日本埼玉化計画」を推し進めるべく、横のつながりが薄い埼玉県人をひとつにするため、越谷に海を作る計画を立てる。白く美しい砂を手に入れるために和歌山へ向かった麻実麗は、滋賀解放戦線の桔梗魁(杏)と出会う。そこで目の当たりにしたのは関西の“超・地域格差”!大阪府知事・嘉祥寺晃(片岡愛之助)の恐ろしい陰謀は、やがて日本全土を巻き込む東西対決へと展開していく!

大ヒット上映中
配給:東映
公式HP:https://www.tondesaitama.com/about/

GACKT
1973年7月4日生まれ。バンドを経て、99年にソロ活動を開始。表現者として音楽活動だけでなく、俳優としても活躍している。2003年『MOON CHILD』では原作・脚本・主演。2007年大河ドラマ『風林火山』(NHK)で上杉謙信役を熱演し、話題を集めた。2010年『BUNRAKU』でハリウッドデビュー。2019年に二階堂ふみとW主演した『翔んで埼玉』が大ヒット。2024年、「GACKT LAST SONGS 2024 feat.K」公演を全国5都市で開催する。