総額約200万円が支給される児童手当て

大阪府では国の制度とあわせて高校の授業料負担がゼロになるしくみもありますが、補助の内容は親の収入によって差があります。子ども1人で親の年収が590万円未満、授業料が年間60万円の場合には実質の自己負担がゼロ、年収800万円未満までは自己負担20万円、年収910万円未満までは自己負担48万1200円となり、年収910万円以上になると補助の対象外になります(2023年度現在。2026年度から見直し予定あり)。

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中学生まで国から支給される児童手当にも所得制限があります。2023年現在は3歳未満は月1万5000円、3歳以上は月1万円(第3子以降は3歳から小学校修了まで月1万5000円)が原則支給されるものですが、子ども2人と専業主婦がいる会社員家庭の場合は目安年収960万円、子どもが3人なら年収1002万円を超えると、受給額がカットされ、月5000円になります。前者と同じ条件で年収1200万円を超えると、児童手当はゼロになってしまいます(2024年度中に所得制限撤廃予定あり)。

月に1万円や1万5000円の収入は、世帯年収が1000万円を超える家庭にとってはたいしたことはない、という考えもあるかもしれません。しかし、子どもが生まれてから中学卒業まで約15年間の支給総額は約200万円になります。これは大学でかかる費用の1~2年分にもあたりますが、その分を国に支援してもらえるか、親子が自分で準備しなければならないかというのは大きな違いです。

ちなみに共働きの所得基準は、夫婦で会社員、子ども2人の場合には、夫または妻の年収が約917万円までが満額支給の対象です。世帯年収にすれば約1800万円ということになりますので、専業主婦家庭に比べると児童手当の面では有利といえます。