かっぱ寿司の原価率は3社の中で最高水準

かっぱ寿司はまぐろや真鯛、サーモン、いかなどの定番商品の一部で税込110円の価格を維持している。スシローは最も安い皿が120円。かっぱ寿司は価格競合の中で低価格路線を維持しているのだ。

かっぱ寿司は90年代に大型店の出店を開始し、100円均一を前面に押し出して業界トップの座に君臨していた。しかし、競合する各チェーンも同価格帯で大型店を出店するようになると、差別化を図ることが困難になった。

やがて、スシローやくら寿司は素材や味で勝負を仕掛けるようになる。価格競争が行きつくところまで到達し、素材への回帰が起こったのだ。しかし、かっぱ寿司は1皿90円のキャンペーンを打ち出すなど、低価格勝負からの脱却を図ることができなかった。その結果、消費者からは「安いが美味しくない」という評価が定着してしまう。

株式会社カッパ・クリエイトが運営する「かっぱ寿司」 写真/アフロ
株式会社カッパ・クリエイトが運営する「かっぱ寿司」 写真/アフロ

市場調査を行うインターワイヤードが2011年に実施した「『回転ずし』に関するアンケート」によると、スシローを美味しいと感じる人の割合は18.1%、くら寿司は11.0%、かっぱ寿司は7.1%だった。この数字が示すとおり、当時の消費者の評価は著しく低かった。

経営不振に陥ったカッパ・クリエイトは、2014年10月に「牛角」などを運営するコロワイドが公開買付を実施して、その傘下に収めた。かっぱ寿司は2017年6月にロゴデザインを現在のデザインに刷新。リブランドを行った。このとき、提供時間の短縮を目的としたオペレーション改善、メニューの再開発、テレビCMを一新してブランドイメージの育成を図るなど、大改革を行った。

そのなかでも、「質への回帰」は特筆すべきだろう。2016年の原価率は44.3%だったが、2022年には48.6%まで上がっている。

主要回転寿司チェーンの原価率の変化(※各社決算短信、有価証券報告書より筆者作成)
主要回転寿司チェーンの原価率の変化(※各社決算短信、有価証券報告書より筆者作成)

競合2社と比較しても、現在では3社の中で最も原価率が高くなった。