ワンオペ問題から立ち直ったすき家

すき家は2010年以降、「ワンオペ」と呼ばれるアルバイトの過酷な労働環境を放置したという問題を抱えるようになった。ゼンショーは一時、ブラック企業の代名詞となったのだ。そこで、2014年6月に各店舗を管理、フォローするために、全国を7地区に分割して各地域に会社を設立した。

人員確保を行い、2014年10月からはワンオペの解消を本格化した。分社化したことにより、店舗の管理が徹底的に行える。本部による手厚いサポート体制で、接客のオペレーションが円滑に行えるよう取り計らっている。

しかし、今後もすき家の一人勝ちが続くかといえば、そうとも言い切れない。

先述したの推移を月次売上高のグラフを見ればわかる通り、2023年6月ごろから吉野家、松屋の売上高が上向いてきている。その要因の一つとして、コロナ禍の収束に伴い、リモートワーク人口が減り、都市部に人が戻ったことが挙げられる。

東京都の調査によると、2023年8月のテレワークの実施率は45.3%だ。3月は51.6%だった。

※東京都「都内企業のテレワーク実施状況」より
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/09/12/06.html
※東京都「都内企業のテレワーク実施状況」より
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/09/12/06.html
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今後、さらに人の流れが大きく変われば、牛丼チェーンはまた新たなフェーズに入ることだろう。

取材・文/不破聡

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