だけど現状は……。
小型無人店のメリットを活かし、需要の喚起を促すことこそが重要

などと立派なことを考えながら、「ほんたす ためいけ」溜池山王メトロピア店での買い物を楽しんだ。
LINEを使った入退店の仕組みは、文字で説明しようとすると面倒くさく見えるので省くが、お店の入り口に掲げられた説明を軽く読めば、ほぼ直観的にこなすことができた。
店内は確かに狭いが整然としていたし、出店地の特徴を捉えて芯を食った品揃えは、とても好感が持てた。

店内は明るく清潔な雰囲気
店内は明るく清潔な雰囲気

それにしても気になるのは、現状における認知度の低さだ。
店は駅ナカのそれなりに人通りがある場所にあるのだが、多くの人は「なんじゃこりゃ?」と一瞥をくれるだけで、ただその前を通り過ぎていく。
僕が滞在した15分ほどの間、ほかに客は誰もおらず、たった一人でお店を独占した。

LINEミニアプリで表示されるQRコードをかざせば扉が開く
LINEミニアプリで表示されるQRコードをかざせば扉が開く
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レジでセルフサービスの会計をしているとき、新しいお客さんがやっと一人入ってきたが、いくらオペレーション費を安く抑えた無人店だとしても、この調子では長くは持たないだろう。
まだ実験段階だからなのかもしれないが、もっとしっかりと広報宣伝し、需要を喚起しなければ、とまったく他人事ではない気持ちで考えながら店をあとにした。


写真・文/佐藤誠二朗