運動会は家族総出で応援に来ていた
「一緒に遊び始めて、大ちゃんが笑顔の状態のときでも、少しでもからかうと、突然『もう言わんでっ』と怒り出したこともありました。
あと、大ちゃんは家族のことを話題にすることはほとんどなくて、お姉さんのことも『3つ年上のお姉ちゃんがいる』と話していたことしか記憶にありません。お父さんについても一度も話を聞いたことがありません。しかし、あるとき『東京のほうに旅行に行くんじゃ』と自慢していたし、運動会も家族総出で応援に来ていたので、家族仲が決して悪かったとは思えません」
家族の中でも、渡部容疑者はとくに母親の愛を一身に受けていたようだ。
「お母さんは顔の彫りが深く、ハーフのように見える方でした。僕たちのクラスは保護者が学校に迎えに来なければいけないときがあったのですが、いつもお母さんが来ていました。とにかく大ちゃんのお母さんは、先生といつも話し合っていた印象があります」
渡部容疑者が中学に進んで接点がなくなったというが、今回の事件で男性は、久しぶりに「渡部大地」の存在を思い出したという。
「報道で大ちゃんのことだとわかりました。お姉さんがSNSに載せていた家族写真も拝見しましたが、お母さんにも見覚えがあったので……。小学校を卒業するころには『また会えたらいいね』と言い合っていたんです。ただ、ひょっとしたら中学校進学以降はご家族以外の人たちとの接点があまり持てなかったのかもしれないですね…」
人とコミュニケーションをとるのが苦手で、静かに過ごすことが多かった渡部容疑者は、ここ数年は母親と二人で集合住宅で暮らしていた。近所に住む祖母の自宅周辺では「猫好きな少年」として知られていた。
かつての親友は言う。
「昔はお祖母ちゃんの話も猫の話も聞いたことはありませんでした。もちろん、なぜ事件を起こしたかについてもわかりません」
謎の多い事件を解くカギは、“大ちゃん”自身にある。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班